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ブルームーン ページ23

「話っていうのはなあ」


暫くの沈黙の中、ごくりと唾を呑み込んだのは彼か私か。何かを言わんとしている彼が何を言おうとしているのかは私にはわからない。しかし彼は唐突に立ち上がった。


「ちょっと待っていてくれ」


そう言って彼はリビングから出ていってしまった。わかる。わかるよ。今の私にはわかる。きっとあれだよね。違う部屋に前に見たあの美人さんが居て、連れてきて彼はこう言うんだ。


「実はお付き合いをしている人がいるんだ。君の気持ちには答えられない。すまない。」


と。なんで独りで好きな男の人の部屋でこんなことを考えなくてはならないのか。そう思えば思うほど涙は溢れてくる。止めなくてはダメだとわかっていても一向に止まる気配はない。


「ぅ、涙っ・・・止まんな、ぃ」

「待たせたなって何で泣いているんだ!?」

「ごめっ、迷惑かけて」


泣いている私の背中を私の手よりも一回り以上も大きいであろう手でさすってくれている。今優しくされたらもっと止まんなくなっちゃうんだけどなあ。そう伝えようと思って彼を見たけれど、口から出たのは別の言葉だった。だって違ったから。


「あ、れ・・・彼女は?」

「彼女?」

「だってさっき別の部屋に行って、・・・この前、杏寿郎と一緒にいた女の子」


きっと私の予想が当たっていて、美人の女の子が私の目の前にいるハズで。でもそれを否定してほしいと私は願っていて。考えているうちに涙腺は固く、思考はハッキリとしていく。それと同時に視界もハッキリして、彼が困ったように笑っていた。


「ああ。それは」

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なるせ(プロフ) - 2次元屋さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しい限りです!頑張りますね! (2019年8月17日 13時) (レス) id: e20a86a6d7 (このIDを非表示/違反報告)
2次元屋(プロフ) - はぁ素晴らしい、めっちゃ続きが気になります!これからも頑張って下さい! (2019年8月16日 22時) (レス) id: cc493f2c39 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なるせ | 作成日時:2019年8月9日 18時

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