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1話: 璃島光牙 ページ3

「せーくん!おっはよーん!!」


三年の廊下を歩き、幼馴染と自分の教室へ向かっていると、見覚えのある背中が見えた。

…どっしりと教科書が入ったスクールバッグで、背筋が伸びたその背中へ思い切りアタックする。

どすん、と鈍い音が聞こえたが、気のせいだと信じたい。彼は小うるさいので、一度怒らせたらだいぶ面倒な奴だからだ。

…まあ、最初から怒らせるようなことをしなければ良いのだろうけど。


「…おい璃島。お前朝から説教食らいたいのか?それとも何だ、毎日俺の説教を聞くのは日課になってるってか…?」


彼は眼鏡をキラリと光らせ、ゆっくりと振り返った。

…あ、やっべ。コレはガチ(・・)の方で怒ってるやつだ…。

ごくりと生唾を飲み込んだ。
…これは決死の覚悟をしなければ。

「いや〜…悪気はなかったんだぜ?そんな強く打ったつもりもねえし…?ほ、ほら何て言うかさ…出来心っつーか…………いやほんとスマン!!」


こればっかりは言い訳は通用しなそうだ。
諦めて彼に手を合わせて謝罪した。


「はぁ……まあ謝ってくれるのならいいが、次からはやるなよ。怪我する危険がある。それより、お前の鞄には何が入っているんだ…!?異様に重かったぞ」

「え〜、そんな重かった?
俺、予定表覚えてねえから毎日全教科入れてるだけなんだけどなぁー…」


そう答えると、せーくんは” あり得ない ”という顔をして俺に怒鳴った。…そんなに眉間に眉を寄せなくったっていいじゃん!

「馬鹿かお前っ…!明らかにそれが原因だろ!全教科とかあり得なすぎるッ…!…自癖もよくこんなバカとつるんでられるな。つるむ仲間は選んだ方がいいと思うぞ…」


せーくんが呆れながらそういうと、隣にいた蒼弥は少し驚きながらももおずおずと答えた。


「光牙は僕の大切な幼馴染だし…それに…だ、大好き…だから…」


この瞬間、言いながら照れている幼馴染を抱きしめたくなった。…いや、現に抱きしめている。


「ううっ…俺に優しいのは空ちゃんと蒼弥だけだよ…!俺も蒼弥だいすき!!」


蒼弥は俺の行動にまたしてもおろおろし始めた。せーくんはそんな蒼弥を見かねてか、俺に一発拳骨を食らわせてから言った。


「…もうHRが始まるぞ。いつまでも廊下で話していては通行人の邪魔だ」


彼は冷めた目つきで言い捨てた。
…全く、釣れないやつ!



__こうしてまた、騒がしい朝が幕を開けた。

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なるせ(プロフ) - 更新終わりました! (2019年5月6日 16時) (レス) id: af1a978d4d (このIDを非表示/違反報告)
なるせ(プロフ) - 更新します! (2019年5月6日 15時) (レス) id: af1a978d4d (このIDを非表示/違反報告)
櫛鉈(サブタブ) - 更新終わりました (2019年5月5日 22時) (レス) id: 045ecd0b94 (このIDを非表示/違反報告)
櫛鉈(サブタブ) - 更新します! (2019年5月5日 21時) (レス) id: 045ecd0b94 (このIDを非表示/違反報告)
京将(プロフ) - 更新しました。ギャグ要素が抜けてしまった…! (2019年5月2日 15時) (レス) id: 8bab4445ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:京将 x他6人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年4月5日 22時

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