もう二度と会えないかもしれないあなた達へ (ページ2)

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きさらぎ駅ページ2

Aside

俺は終電に疲れ切った体で乗っていた。

アナウンスの声で眼が覚める。

いつの間に寝てたんだ・・・？

気づけば降りなきゃいけない駅過ぎてる。

いつもならすぐ次の駅着くんだけど一向に着く気配がない。

ようやく止まって看板を見ると『きさらぎ駅』と書いてあった。

あっ、やべっ。

冷や汗が滴る。

次確か『かたす』だったような・・・。

天に召されるぞ、我氏。

電話が鳴る。出ると後輩の剛久からだった。

前「やっと繋がった。どこにいるんですか？」
山「ちょっと寝過ごしちゃって。次の駅で降りる」
前「ならいいですけど。あまり裕貴心配させないでくださいね」
どうして剛久が俺と裕貴が同居してること知ってる。

にしてもこの状況どうしようか。

出ないのが一番安全だろうけど。

確か降りたら飲んだり食べたりしたらいけないんだよね。

だが、裕貴のかわいいところが見たいので降りる。

スマホのメモアプリを開いてもしもの時のために書いてたきさらぎ駅のやってはいけないことリストを見る。

話しかけない、寝ないはまだしも飲食なしは無理だ。

電車から降りない方が良かったのか？

もう仕方ない。歩いて帰ろう

俺は駅を抜け、ひたすら歩き続けた。

もう何日歩いただろう。

さすがに限界だ。

役に立つかどうかわからないが、ライターに火をつけた。

すると視界がぼやけ、元の世界に戻った。

俺は疲れで寝てしまった。

ちゃんと帰ったら裕貴が子供みたいに泣きじゃくって大変だった。