第佰肆拾話 ページ24
.
見間違えるはずがない____________
冰お兄ちゃんが、そこにいる...!
『お兄ちゃん、なんでここにいるの?危ない...!』
近づいて声をかけたが、すぐ異変に気づく。
(雰囲気が...人間じゃない!鬼だ!!)
お兄ちゃんが顔をあげると、
瞳には"上弦の零"の文字。
『嘘...っ!!!』
でもその顔は、酷く慈愛に満ちていて____________
「A、ごめんな。俺は鬼なんだ。
最後に会えてよかった。兄ちゃんの話、聞いてくれるか?」
私がコクリと頷くと、お兄ちゃんは話し始めた。
「あの日_________父様母様が殺された夜のことだ。
俺はお前を逃がしたあと、鬼舞辻に殺されなかった。
どうやら奴は_______強い鬼を作りたかったらしく、それで鬼殺隊柱を両親に持つ俺たちを狙ったらしい。
また、父様母様が鬼舞辻のお気に入りだった十二鬼月を殺したことも恨みを買っていたらしい。」
『お兄ちゃん、鬼舞辻の名前口にして大丈夫なの!?』
「俺は最初から呪いが解かれていたようだった。
...人間の頃の記憶を持ったまま、鬼にされたんだ。
だから、人を喰う前に死んでやろうと思っていた。
だが、俺の体は鬼舞辻に支配されているようで...自分の意思に反して、体が動くんだ。
無理矢理、人を襲って喰べてしまう。
鬼殺隊士を目の前にしてもそうだ。
俺は首を斬られたいのに、体が勝手に動いて隊士を殺してしまう。
...恐らく、俺を生かして強い鬼にするためだろう。
だから、呪いも解かれていたとすると辻褄が合う。」
こんな...こんな残酷な話、あっていいの?
お兄ちゃんは無理矢理人を襲わされて...
想像を絶する苦しみだろう。想像がつかない。
それなのに私...妹なのに、お兄ちゃんのこと何も知らずに生きてきた。
お兄ちゃんが苦しんでるなか、私は鬼を斬って、恋をして、普通に生活していたなんて...!!
じわりと涙が滲んでしまう。
「A、泣くな...。
どうせ優しいお前のことだから、俺の事を気にかけてくれているんだろ?
もう、いいんだ...俺のことは。」
お兄ちゃんが優しく頭を撫でてくれる。
せっかく再会出来たのに...こんなの、あんまりだよ。
.
316人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
結愛(プロフ) - レナさん» 間があいてしまいすみません…泣ゆっくりですが、頑張りますね!ありがとうございます! (2021年5月29日 20時) (レス) id: ce8ebdb318 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 更新を停止しちゃったのかな?って思っちゃいました。これからも更新を楽しみにしています。更新頑張ってください! (2021年5月29日 15時) (レス) id: 04b8134c40 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - メロメロメロンさん» 暖かいコメントありがとうございます泣更新していない間も見に来てくださっていて嬉しかったです…!ありがとうございます。これから非常にゆっくりですがまた更新頑張ります! (2021年5月29日 15時) (レス) id: ce8ebdb318 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - kiru2loveさん» 長い間待っていて下さって本当にありがとうございます泣これからゆっくりですが、完結に向けて頑張っていこうと思います…! (2021年5月29日 15時) (レス) id: ce8ebdb318 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - るるありさん» 最終更新の日から時間が経っていたのにも関わらずコメントいただきありがとうございます…!遅くなりましたが、これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2021年5月29日 15時) (レス) id: ce8ebdb318 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:結愛 | 作成日時:2020年6月28日 18時