水に溶けたい。弍 【冨岡義勇】

第陸拾陸話 ページ20

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季節は過ぎ、秋。




任務で怪我をしてしまい、蝶屋敷にお世話になっていた。



し「はい、これで完治です！今日という大事な日に無事治ってよかったですね〜！」




そう。今日は私の誕生日！！！




朝起きたときからみんなにお祝いしてもらった。

あのカナヲも、おめでとうございますって言ってくれたの...可愛い...




し「冨岡さんとお出かけなんでしょう？

はやく出ていかれたらどうですかー？」ﾆｺﾆｺ




『はいはい、わかってるよ(笑)

相変わらず義勇のことになると当たり強いね(笑)

治療ありがとうね！』




私は急いで屋敷に戻り支度をした。
袴を着て...髪を結って...完璧！




「A！義勇来テルヨ！！」

あいすが知らせてくれた。

『ありがとう！！』




私は急いで屋敷から出た。



『義勇！お待た...せ！？』


いきなり義勇に抱き締められた。




『えっ、ちょ...何？？』



「A、誕生日おめでとう。」



ムフフ顔で言われた。可愛い。



『ありがとう、義勇！！早く行こう？』



「そうだな。」




こうして私たちは恋人繋ぎをして歩き出した。






『、、、やっぱ浅草は都会だね〜、、』


「嗚呼。A、昼も近いし先に何か食べよう。


何が食べたい？」



義勇に聞かれ、周りを見渡してみると...


"ライスカレー" と書かれているお店に目がいった。




『らいすかれー、食べてみない？』


「ハイカラだな。行ってみるか。」





そのお店の内装も洋風で、まるで異国にいるような気分だった。


暫くすると、らいすかれーなるものが運ばれてきた。




『...すごい美味しそう！！』


1口食べてみると...少し辛くて、でもご飯との組み合わせが絶妙でとても美味しかった。




「...上手いな。」


義勇も美味しそうに食べている。




ご飯を食べたあとは、私が行きたい店に義勇は着いてきてくれて、買おうとするものを全て買ってくれた。


さすがに申し訳ないから、自分で出す！と何回も言うのだが、


今日は誕生日だから、ということで折れてくれなかった。




『義勇、こんなにたくさんありがとう。

特に本とか高かったのに...。』


「気にするな。お前の誕生日だろう...。我儘なら何でも聞いてやる。」



(...無駄に格好いいことばっかり言うんだから。)



「その、さっき買った本は...薬学についてか？」


『そう！ちょっとだけでも勉強しようと思って！』


「いい心がけだな。」


と言って義勇は微笑んだ。

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