42.店オシャレだね ページ43
「まずは…、千秋楽お疲れ様でした!」
軽くグラスをくっ付けて、まあ俗に言う乾杯をすると、マイカちゃんはぱちぱちと目を瞬かせた後、私から目を逸らした。よく見ると頬が色付いているので、照れてるんだと思う。
「…ありがと」
「実は見に行ってたんだ〜。今思い出しても、すっごい素敵なショーだった!」
「なんだよ、見に来てたの?声掛けてくれればよかったのに」
「打ち上げとかあるかな?って。やっぱり大事な日だし」
「そんなのないよ。帰りはサキと藍とで三人で駅まで帰っただけ」
「…藍?スターレスのキャストさん?」
「さあ?急に押し掛けてきた。入りたいらしいけどね」
どうせまた濃い人なんだろうなあ。
スターレスと言えば、そうだ思い出した!
「ていうか聞いてよ〜。今日ケイさんから連絡あってさ、明日レッスンに参加しろって…」
「ご愁傷さま」
「そんなバッサリ…。チームのレッスンってどんな感じなの?ステージでやってたみたいに5人位いるの?」
「次の公演はチームKだからリコもいるし、アンダースタディもいれれば6人だね」
「まじか…。あがり症だよ?チキンだよ?そんな私には無理だって…」
「でもケイに認められる実力ってことでしょ。この前リンドウも言ってたけど、お前そんなにすごいんだ?」
マイカちゃんは頬杖をつきながら私をじっと見つめるものだから、なんだか居た堪れなくなる。そういえば彼の前では歌ったことなかったな…。別に聞かせるほどでもないんだけど。
「そんな大したことないよ。…ほら、忘年会の出し物みたいなさ。ケイさんが買いかぶりすぎなんだよ」
「ふーん?まあいいけど。…それでもさ、ちょっとムカつくよね」
「えっ!!」
「他のやつが僕の知らないお前を話してるのがだよ。Aと知り合ったのは誰よりも僕が先なのに」
「!!!」
怒らせちゃったかなって不安になったのも束の間、彼から放たれた言葉は私を一気に浮上させるものだった。
冗談なのか分からないけど、彼はなんてことないと言わんばかりにノンアルを嗜んでいる。…ここは逆に照れないのね。だってそれヤキモチみたいな感じじゃん…。やっぱり冗談なのか?
頭の中でぐるぐると考えていると、当の本人はふと私を見て、吃驚したように目をまん丸とさせた。
「顔真っ赤…」
「っ!!」
「ばかだな、お前が照れてどうするんだよ」
彼はそう言ってクスリと笑う。
その笑顔がとても綺麗で更に自分の体温が高くなるのを感じた。
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もずく(プロフ) - いなれおさん» まずは返信遅れて申し訳ございません。温かいお言葉ありがとうございます。この通りマイペース亀更新ですが、お時間がある時に少しでも楽しんで頂けると幸いです! (2021年9月13日 21時) (レス) id: c26e1e718d (このIDを非表示/違反報告)
いなれお(プロフ) - 初コメ失礼します!マイカちゃん可愛すぎませんか!?こんな最高な作品を考えた主様はきっと神様ですね…!これからも更新楽しみにしてます!頑張ってください!! (2020年11月15日 17時) (レス) id: 2fb9f419a2 (このIDを非表示/違反報告)
もずく(プロフ) - レオンさん» こんな自己満の作品にコメントありがとうございます!励みになります!ただいま多忙で以前より更新出来ていませんが、落ち着いたらまた上げていきたいと思います。今後もよろしくお願いします! (2020年3月12日 11時) (レス) id: ca7a517b7e (このIDを非表示/違反報告)
レオン - 初コメ失礼します!!めっちゃいいです、マイカー!!ってなりました!(語彙力)更新楽しみにしてます! (2020年3月11日 10時) (レス) id: e3b363dcc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もずく | 作成日時:2020年2月9日 18時