28.麦わらの一味になりたい ページ29
ここで聞いて欲しい。初対面の顔の良い人が甘い言葉を吐いてきたら、それは完全に裏があるぞ!皆は気を付けろよな!お姉さんと約束だ!!
これが現実かと呆然として逃避したくなるが、私の手の中におさめられた紙袋が重すぎてそれを許してくれなかった。まじでパない。
半泣きになっていると、突然扉の方からガタッ!という音がした。吃驚して咄嗟にそちらを見るが、ケイさん(悪魔)は余裕な面持ちで扉の方へ声をかけた。
「こそこそ隠れていないで、出てくるがいい」
すると何とさっき公演していたチームPがぞろぞろと出てきた。おいおい盗み聞きかよ。最後に出てきた私の友達マイカちゃんは「ばか。お前はほんとばか」っていう呆れた顔をしていた。そうだよね、私も痛感しております。
「気付いていたんですね」
「ああ、聞いていたのだろう。マイカ、こやつは俺と交換条件を交わした。此処に出入りすることになるが、問題はあるまい?」
「ちょっ!?」
緑の人が申し訳なさそうに苦笑を漏らして話しかけてきたかと思いきや、何堂々と私の前でマイカちゃんに許可取ってんの?さっき顔合わせないように調整するって言ったじゃん!
ケイさん(悪魔)を睨むが、「なに、調整をする前に来てしまったものは不可抗力だ」とかほざきました。そうだけど!そうだけど!!!
マイカちゃん!せめてNOと!NOと言ってくれい!
「もう決まってることなんでしょ。僕は別に構わない。…大体いちいち許可なんて取らなくていいから」
「!??!」
「だ、そうだ。構わず此処に来れるな。お友達とやらに感謝するがいい」
「な…、なんで……」
「A、可哀想だけど頑張ってね。お前の人の見る目がないのが悪い」
「返す言葉もねえ〜〜!」
ごもっともだった。自業自得だわ。
もういいよ。なるようになるよ…。
内心自棄を起こしていると、ケイさん(悪魔)にぽんっと肩に手を置かれた。次はなんなの、怖い…。
「そういえば名を聞いていなかったな。覚えてやろう、答えろ」
「Aです…」
「A、決して約束は違えるな」
目だけは完全に笑ってない嘲笑スタイルで、ケイさんは勝手に言って勝手にどっか行った。
なんだよ、たがえるなって。武士かよ。今どきの20代そんなこと言わねーよ。
せめて「二年後に!シャボンディ諸島で!!」くらい明るく、「一週間後に!バックステージで!!」って言えよ。…想像したらケイさんがルフィはちょっとキツかったわ。怖い位に真逆過ぎる。
.
51人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もずく(プロフ) - いなれおさん» まずは返信遅れて申し訳ございません。温かいお言葉ありがとうございます。この通りマイペース亀更新ですが、お時間がある時に少しでも楽しんで頂けると幸いです! (2021年9月13日 21時) (レス) id: c26e1e718d (このIDを非表示/違反報告)
いなれお(プロフ) - 初コメ失礼します!マイカちゃん可愛すぎませんか!?こんな最高な作品を考えた主様はきっと神様ですね…!これからも更新楽しみにしてます!頑張ってください!! (2020年11月15日 17時) (レス) id: 2fb9f419a2 (このIDを非表示/違反報告)
もずく(プロフ) - レオンさん» こんな自己満の作品にコメントありがとうございます!励みになります!ただいま多忙で以前より更新出来ていませんが、落ち着いたらまた上げていきたいと思います。今後もよろしくお願いします! (2020年3月12日 11時) (レス) id: ca7a517b7e (このIDを非表示/違反報告)
レオン - 初コメ失礼します!!めっちゃいいです、マイカー!!ってなりました!(語彙力)更新楽しみにしてます! (2020年3月11日 10時) (レス) id: e3b363dcc8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:もずく | 作成日時:2020年2月9日 18時