25.オムライスうめー ページ26
ふっわふわのオムライスが運ばれてきた時には、あれ?もしかして私マイカちゃんにオムライス好きだと思われてる?と疑問を感じたが、大好きだったので問題なかった。それを食べ終えたと同時に、開演のブザーが鳴り響いた。
私の視線は完全にステージに釘付けだった。
…すごい。歌は勿論上手いし、なにより演技も言うことなしだ。特にあのオレンジ色の髪した人なんて迫真すぎて、演じること好きなんだろうなあって思える。
個々が皆個性を持ってて技術も素晴らしいんだけど、でも…。
「どうかしたか?」
ふと声を掛けられたので、思わずそちらへ顔を向ければ、カウンター越しに茶髪で金メッシュの人がこちらを見ていた。開演中なので暗くてあまり顔は見えないが、多分私に話しかけているんだと思う。
そういえばここバーカウンターだった。
じゃあこの人はマスターってことかな?そうだよね?バーカウンターに立ってる人って大抵マスターだよね?そういやドラマでもよく見るけどマスターには何でも話していいんだよね!仕事の愚痴とか思ったこと色々!
完全に偏見なのだが、そう思い込んでしまった私の口は、まあ止まらなかった。
「今日お友達のステージを見に来たんですよ〜」
「…マイカか」
「え?なんで分かったんですか?」
「君の装いを見れば分かる」
ちなみに今日も私は両手にペンライト、首にタオルスタイルである。
ですよね〜。分かりやす過ぎたか。
「マイカのことを大層好いているのだな」
「そりゃもう!このステージだって二回目なんですけど、歌声も綺麗だし勿論歌も上手いから言うことなし!」
「…そうか」
「…それは間違いないんですけど、私の勘違いじゃなければあの三人息合ってないですよね。あんまり言いたくないけどマイカちゃんの方が合ってないっていうか…」
「…ほう?」
「三人の歌なのに緑の人と真珠さん対マイカちゃんみたいだ。…それでもなんとか緑の人が形にはしてるけど…」
「興味深いな。もう少し聞かせてくれるか?」
「え?でも知ったかぶってるような気がしません…?生意気というか…」
「いや、客の意見は参考になる。今後に反映させたいのだ」
その時ステージのライトが一瞬だけ会場の方を照らすから、そのマスターの青い瞳が私をじいっと見つめているのが見えて。有無を言わさない威圧感というか、その圧倒的王者感を感じ取ってしまい、私は首を縦に振ることしか出来なかった。
しかし私はこれを後悔することになる。
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もずく(プロフ) - いなれおさん» まずは返信遅れて申し訳ございません。温かいお言葉ありがとうございます。この通りマイペース亀更新ですが、お時間がある時に少しでも楽しんで頂けると幸いです! (2021年9月13日 21時) (レス) id: c26e1e718d (このIDを非表示/違反報告)
いなれお(プロフ) - 初コメ失礼します!マイカちゃん可愛すぎませんか!?こんな最高な作品を考えた主様はきっと神様ですね…!これからも更新楽しみにしてます!頑張ってください!! (2020年11月15日 17時) (レス) id: 2fb9f419a2 (このIDを非表示/違反報告)
もずく(プロフ) - レオンさん» こんな自己満の作品にコメントありがとうございます!励みになります!ただいま多忙で以前より更新出来ていませんが、落ち着いたらまた上げていきたいと思います。今後もよろしくお願いします! (2020年3月12日 11時) (レス) id: ca7a517b7e (このIDを非表示/違反報告)
レオン - 初コメ失礼します!!めっちゃいいです、マイカー!!ってなりました!(語彙力)更新楽しみにしてます! (2020年3月11日 10時) (レス) id: e3b363dcc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もずく | 作成日時:2020年2月9日 18時