18.ドジなのがお前の個性でしょ ページ19
とうとうこの日が来た。僕があいつを誘った公演の日が。僕が最初に歌う新しい演目。一応形にはなっているけど、それでもまだ完璧じゃない。だから本当は千秋楽のときに誘いたかったけど、頑張って買ってくれている人達に失礼な気がしたから止めた。
…またリンドウがまとめるのかな。それでも僕は僕の歌をうたう。
控え室で思案に暮れていると、携帯が通知音を鳴らした。画面にはあいつの名前があって。少しだけ和らぐ気持ちのまま、僕はトーク画面を開いた。
『チケットの裏に書いてあるの地図だよね？もうすぐ着くと思う！』
『地図で合ってるよ。そういえば日程聞かないで渡しちゃったけど大丈夫だった？』
『仕事だったけど夜の公演だったから大丈夫だったよ！心配してくれてありがとう！』
『それならよかった。気を付けてね』
『あいよ〜。マイカちゃんの歌楽しみにしてるね！』
そこでやり取りを終える。
頭の中でイメトレをしていると、再び携帯が鳴った。今度は着信だった。さっき連絡したばかりのAからだ。他のメンバーの視線を受けていたので、僕は立ち上がって控え室から出ると通話ボタンを押す。『もしもし…』と端末越しに聞こえた彼女の声は酷くか細くて、何かあったことは明確だった。
「どうしたの？何かあった？」
『やばい…迷った…』
「…はあ？」
『近くには来れてるとは思うんだけど、なんか同じとこぐるぐる回ってるような気がする…』
「………」
『ごっごめん！私ほんとにドジで…。ショーに間に合わなかったらどうしよう…』
「いや、謝らなくていい。近くに何か目印になる建物とかある？」
『コンビニの真横に本屋さんがあるよ。反対側の道にはカラオケもある。あとは…」
「…安心した。そこならすぐ近くだよ。本当は僕が迎えに行きたいけど、公演前で行けないから迎えを行かせる。そこで待ってて」
『大事な公演前なのに迷惑掛けてごめんなさい…』
いつになく弱気なあいつの声。本当に申し訳ないと思っているんだろう。
「いいよ、僕が急に誘ったんだし。とにかく今から向かわせるから」
了承した彼女の言葉を聞いて通話を切る。
さて誰にお願いしようか。女の子同士だしサキにお願いしたいけど、なんか訳ありで狙われてるっぽいし、なによりケイが許さないだろう。運営にお願いしようかと思いついたところで、目の前を桜色が過ぎった。咄嗟にそいつの手首を掴む。
「…マイカ？」
「っごめん、お願いがあるんだけど…」
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もずく(プロフ) - いなれおさん» まずは返信遅れて申し訳ございません。温かいお言葉ありがとうございます。この通りマイペース亀更新ですが、お時間がある時に少しでも楽しんで頂けると幸いです！ (2021年9月13日 21時) (
レス) id: c26e1e718d (このIDを非表示/違反報告)
いなれお(プロフ) - 初コメ失礼します！マイカちゃん可愛すぎませんか！？こんな最高な作品を考えた主様はきっと神様ですね…！これからも更新楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2020年11月15日 17時) (レス) id: 2fb9f419a2 (このIDを非表示/違反報告)
もずく(プロフ) - レオンさん» こんな自己満の作品にコメントありがとうございます！励みになります！ただいま多忙で以前より更新出来ていませんが、落ち着いたらまた上げていきたいと思います。今後もよろしくお願いします！ (2020年3月12日 11時) (レス) id: ca7a517b7e (このIDを非表示/違反報告)
レオン - 初コメ失礼します！！めっちゃいいです、マイカー！！ってなりました！（語彙力）更新楽しみにしてます！ (2020年3月11日 10時) (レス) id: e3b363dcc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もずく | 作成日時：2020年2月9日 18時
