君と笑い会えたら

16.許すまじ ページ17

どこかむくれているマイカちゃんに、情けないがへらへら笑って誤魔化すことしか出来ないでいる私。
どーしよ、レースゲーム誘うか？でも自慢じゃないけど私結構強いから、こてんぱんにしてしまう未来しか見えない…。子供向けのレースゲームならそんなに差が出ないかなあ…。
さてどうしようかと考え込んでいると、不意に手を引かれた。マイカちゃんだった。


「疲れたし、お茶でもしようよ」


ぶっきらぼうに言われるが、多分マイカちゃんなりに空気を変えようとのことだったんだと思う。…いやでも本当に疲れてるのかもしれない。慣れない場所だと思うし。
手を引かれているので言われるがままについていく。…手繋ぎっぱなしでもいいのかなあ。ちょっとドキドキする。そういえばマイカちゃん華奢なのに意外と大きな手してるなあ。


「あれ？マイカ？」

「うっわ…」

「酷いよねえ。普通そんなに嫌そうな顔する？」


マイカちゃんの嫌っそうな声が聞こえて咄嗟に前を見れば、なんかチャラそうなのがいた。薄水色の髪って目立ちすぎだろ…。マイカちゃんも十分過ぎるほどに派手だけど。知り合いかな？
オーラの半端ない二人にここにいていいんだろうかと気まずさを感じていると、不意にチャラい人(偏見)と目が合った。するとまあ面白いもの見つけたと言わんばかりに笑顔になった。え、怖い。


「新しい演目もう始まってるんだろ？女の子と遊べるなんて随分余裕じゃない」

「そんなことお前にだけは言われなくない。大体休日をどう過ごそうが僕の勝手だろ」

「そいつはごもっとも。でも意外だなあ。マイカもやることやってんだ？」


そうして繋がれた私達の手を見てにんまり笑うチャラい人(偏見)。なんかこの人笑顔が怖いんだよなあ。ゲーセンで音うるさいから何話してるかよく分かんないけど一つだけ私にも分かる。
マイカちゃんが嫌がってるってことは！！

次々に私の頭の中で方程式が組み込まれてゆく。
チャラい人が絡んできた→マイカちゃんは嫌そう→でも二人は知り合いっぽい→可愛いマイカちゃんに前から言い寄るしつこいナンパ野郎

….これだな。完全にこれだ。

私はいつものチキンはどこへやらマイカちゃんを庇うようにして、チャラい人の真ん前に立ちはだかった。

イケメンでチャラいのは一番苦手な部類で普段なら絶対関わろうともしないのに、今はマイカちゃんを守りたい一心でそんなこと忘れていた。

よっしゃ！言ったれA！



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