君と笑い会えたら

15.これじゃあ立場逆だろ ページ16

マイカちゃんが見ていたうさぎのぬいぐるみが景品のUFOキャッチャーの前に来る。そして100円玉を投入しようとした手を後ろから着いてきたマイカちゃんに掴まれた。


「ちょっとまさか僕の為にとか言わないよね？」

「ん？そうだけど？折角の記念だしさ」

「いらないよ。こんなに大きいの取れるわけない」

「そんな大きくないよ。まあまあ見ててよ」


そう言えばマイカちゃんは怪訝な表情で渋々、ほんっとうに渋々私の手を離した。中断された100円玉をゲーム機に投入する。

こっからが私の得意分野だ。やっと本領発揮出来る。その大きな目かっぴらいてよーく見てなさい。はっはっは！

そこからは早かった。
あっさりとお目当ての景品は取り出し口へと落ちていった。


「…うそ」

「本気になった私はこんなもんよ」


呆然としているマイカちゃんに獲得したうさぎのぬいぐるみを渡すと、それをおずおずと受け取った。意外とアーム強くて助かったわー。
取るの楽しかったし自然と笑顔になってしまっていると、マイカちゃんは申し訳なさそうな表情で私の顔を伺っていた。よくよく見たらうさぎ抱えてるマイカちゃんって絵面的に最高に可愛すぎた。心の準備疎かだったわ。


「本当にもらっていいの？」

「その為に取ったんだよ」

「…ありがとう。大事にする」

「大袈裟だよ！喜んでくれたならそれだけで十分！さっ次どこ行くかー！持ってるの邪魔よね。袋取ってくるか」


ちょうどスタッフさん見つけたので声を掛ければ、おめでとうございますと言ってくれて袋を広げてくれたので、そこにマイカちゃんがぬいぐるみを入れた。よしこれでまだまだ遊べるな。


「今度はお菓子取ろっかな〜。マイカちゃんなんか食べたいお菓子ある？チョコ棒も捨てがたいよね〜」

「…」

「？…マイカちゃん？どうしたの？ぼーっとして」

「…お前さ、やること男前過ぎない？他の友達にもこんななの？」

「え〜、そんなことないと思うけど。それにさっき記念って言ったじゃんか。そんなに深く考えないで受け取って欲しいな」

「そういうとこだよ」


マイカちゃん的にあんまり納得いってない感じっぽい。でも本当にマイカちゃんが喜んでくれたんなら、それだけで嬉しいんだけどな。多分言ってもまた受け入れて貰えないだろうから、もう言わないけど。

マイカちゃんは時々こうだ。自分が優しくされるのあんまり好きじゃないのかな？私はマイカちゃんが笑ってくれればそれでいいんだけどなあ。



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