君と笑い会えたら

1.やらかした ページ2

どこを見ても人、人、人。馬鹿でかいビルがいくつもそびえ立つ景観は、田舎から上京してきた私からしたら全てが新鮮だった。
しかしあまりにもキョロキョロすると田舎者丸出しだから止めておけと友人が言っていたので、私は何とか堪えて駅の改札へと向かったのだった。
今までだったら切符を都度買っていたが今はカード1つピッ！で終わりだ。やばくない？世の中便利すぎ。いつかエラーが起きるんじゃないかと内心ひやひやしながらいつも切っているのだが、いつか慣れる時がくるのだろうか。ここまでくると田舎者というかただのチキンだ。

携帯で乗る電車を何度も確認する。時間おっけー、行先も大丈夫だよね？人混みに紛れて電車に乗る。皆慣れたように乗るその様に酷く羨ましさを覚えた。都会人…かっこいい！あっ…！あの子めっちゃ可愛い！派手だけど薔薇色の髪がめちゃくちゃ似合ってる。
結局キョロキョロしてしまっていて友人の声が頭を過ぎる。やばいやばいと皆にならってスマホを見ることにする。しかし降りる駅を間違えないか心配でゲームをしようにも集中出来ずに、ひたすら携帯で時刻表を見る。
次が降りる駅だ。

目的の駅に着いたので、電車から下りる。
さーてと、地図開くか。携帯を取り出して目的地を検索する。改札口が近付いて、そういえばICカードのが先だったとポケットを漁る。
漁る。漁る。漁る。………。

無い！！！
ICカードが無い！！！



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