愛するということ【ばけもの夜話づくし】

五泊 ページ6

『大将は何をしてるのかしらね』

「…少なくともA様は見てはならない物だ」

『どうして隠すのかな』


時々 人の秘密を奪う時 大将は

私に見せない時がある

聞いてはみるが

いつも上手くかわされたり

はぐらかされるばかり


私には見てはいけないってどういうことかな

何か私 悪いことしたっけ

それとも本当に見てはいけないもの？


『わかんないなぁ』

「何故知ろうとする？」

『そりゃあ 人の秘密ってのは
知りたいことだってあるよ

私は そんなに気にはしないけど
こうも頻繁だと ね？』


別にいいんだよ

隠し事なんて

私は気にならないし


でもね 多すぎると不安になるよ

私は嫌われてないのかとか

ここにいていいのかとか


人って 気楽に考える人もいれば

考え込む人もいる

私はどちらかといえば後者だ


…まぁいいか

ここは秘密を頂く「叢雲屋」

少しくらい秘密があったって

気にしないでおこう

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