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三泊 ページ4

『あら蜘蛛 どこに行くの?』

「大将が客を逃さないようにするためだ」


外に出ようとする蜘蛛を見かけ

声をかける

あぁ てことはやっぱり

今回のお客様は


『あれほど若くして…
悲しいものだね 現実って』

「…A様は純粋すぎる
どんな悪であろうが涙を流すとは」

『彼は悪ではないでしょう
それに人が死ぬのは悲しいことだわ』


どんなものであれ

死ぬということは神様に見捨てられるということ

今まで繋がれた運命が消える時

神様に引かれた道から落ちて見捨てられて


『可哀想だわ なんて
本当は言ってはいけないけど』


だって 可哀想だなんて言葉

私はそんなに好きじゃない

他人事のような気がしてならないから


蜘蛛に笑いかければ

呆れたような顔をされた

私変なこと言ったっけ


遠くから ガサガサと音がする

蜘蛛から離れるよう目で見られたので

近くにあった木の影に隠れた

蜘蛛は地面に潜ってたけど


見えたのは鳥のような者

何だろうあれ 籠みたいなの持ってる

周りには蝶が舞っている


あれ 奥の方にいるの…

お客様じゃないか?

何でタオル一枚で逃げようとしてるんだ

風邪を引いてしまうだろうし…あ

別に引くわけないか


鳥のような者がお客様を連れて行こうとするのを

蜘蛛は糸を出して止める

私も近くにあった木の根を籠に絡ませ

蜘蛛の近くによる


「…大将 なぜ外に出した!
遊ぶのもいい加減にしろ!」

「彼は少しばかり「おおらか」な お客様でね
なかなか気付いてもらえなくて
四苦八苦しているところなんだ」


宿を囲む塀の上に立ち

その手に明かりを持つ大将の姿

っていうか





『たっ 大将!服っ!服着てください!』


今の大将の姿はタオル一枚

挙句 お客様のように巻いてるのではなく

持っているだけである

なのでまぁ…裸なのだ…うん


流石に私も大将が大胆とはいえ

これは耐えきれないぞ

いや 今までされたことも

ほんとは耐えられなかったけどさ


「おやまぁ 今更それを気にしますか?」

『うるせえぇぇっ!とっとと服着やがれえぇぇっ!』


マフラーで顔を隠し

大将を見ないようにしておく

「やれやれ」と呆れ声が聞こえてくる


…やれやれじゃねぇよ!

服着ろよこの野郎!

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- おもしろかったです。これからも更新頑張ってください!楽しみにしています(*・ω・)ノ (2018年3月3日 19時) (レス) id: 2de2767ee8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もずく。 | 作成日時:2018年2月12日 20時

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