番外泊 3-2 ページ13
「…一緒にいて」
その一言にいったいどれだけの破壊力があっただろうか
あぁっ 今すぐ頭撫で回したい
可愛すぎるだろこの生き物 なにこれ
『貴方が願うならいくらでも一緒にいますよ』
いつもよりずっと小さい手を握って
笑顔でそういうと
大将は不安そうな顔から嬉しそうな顔へと変わった
さて どうしましょうかね
構うと言っても何をすればいいのかわからない
子供と遊ぶだなんて初めてだからなぁ
『そういえば さっきの二人
すごい噛み跡があったんですけど
あれどうしたんですか?』
「あれは 僕がかんじゃった
いきなりゆさぶられたりとかされてびっくりして」
『あー それはいけませんね
あとで二人に注意しておきます』
姿はちっちゃな大将なのに
喋り方とか変わってて変な気分
『大将 何して遊びたいですか?』
ニッコリと笑顔でそう聞くが
大将は首を振った
遊びたくはないということか?
「今は頭を撫でてて欲しい…」
ぎゅっと服に抱きつく大将
全く 仕方ない人だ
『わかりましたよ』
優しく 大将の頭を撫でる
撫でているうちに大将は眠っていた
何時間も私は
寝ている大将の頭を撫でつつ
思っていた
昔 大将が私を買った時
私と同じ気持ちで育ててきたのだろうか
私は人間で 彼は化け物だけれど
それでもちゃんと愛情を与えられたような気がする
あの人の優しさが偽りだったとして
私は 生きていけるのだろうか?
「___A?」
『あ 起こしてしまいましたか?』
「どうして泣いているの?」
大将の小さな手が私の頬に触れる
一粒の雫が大将の頬に落ち 流れた
『あぁ ほんとだ
やだなぁ』
腕で涙を乱暴に拭いた
たかが想像で涙するなんて
私も随分 大将に落ちたものだ
「ねぇ 泣かないで」
『ははっ それは無理がありますね
人間は誰でも泣くものです』
「僕じゃ それを止められないの?」
『…貴方が 私から離れないのなら
きっと 泣かないですよ』
「じゃあ離れないから
だから 泣かないで…お願い」
おでこを合わせて
そういう大将
ねぇ それは本当の気持ち?
私は貴方のなんなの?
私は…私は…
『…私は…貴方が好きなんですよっ』
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燕 - おもしろかったです。これからも更新頑張ってください!楽しみにしています(*・ω・)ノ (2018年3月3日 19時) (レス) id: 2de2767ee8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もずく。 | 作成日時:2018年2月12日 20時