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ゆるゆるとしていれば、勿論時間は過ぎてゆき、
次々と社員が出勤してくる。
「Aちゃん」
「あ、深澤先輩。何かありました？」
「このあとの昼、一緒に食わない？」
「えっ…あ、いいんですか？」
「おう、いいなら後で調べとく」
「ありがとうございます」
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…嬉しい。
ニヤけそうな顔を抑えながら、私はパソコンに向かった。
よし、お昼のために頑張ろう。
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集中していればお昼までなんてあっという間で
早めに終わった仕事を片付け、会社の広場へと向かう。
「あ…ここの桜は満開なんだ」
会社の窓から見えていたものとは違う種類の桜だろう。ふわふわと花びらが散り、まるで甘い香りのシャワーのようで。
…掴めるかな、なんて手を伸ばす。
「…意外と難しい」
花びらを掴むのは諦め、私は社内に戻った。
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「あ、Aちゃんいた」
「わっ、び、びっくりした…」
「ごめんごめん、じゃあ行こっか」
実は紹介したい奴がいてさ、
なんてニコニコしながら彼は言う。
…紹介したい人って誰だろう。
私は彼と同期の岩本さんと絡んでいるところしか見た事がなかった。そんな彼のことをより知ることが出来る、と期待に胸をふくらませる。
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作者名：もずく | 作成日時：2020年5月9日 23時
