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▽ Spring ページ1
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強い風で大きく揺れる窓。
もう時期は春だと言うのに外はまだ肌寒い。
暖かなコーヒーを片手に厚手のコートを準備した。
「おはようございまーす」
「おはよう」
「まだ寒いですよね〜」
私の着るコートを見て後輩がそう呟く。
「そうなんだよね、
今朝なんてあったかい飲み物買っちゃった。」
「私もです」
窓から暖かい光が差し込んできている。
外に見える木々は桜の蕾を作ってゆらゆらと揺れていた。
こんな自然を近くに感じられるところに惹かれて、私はここの会社を選んだ。
いつ見ても外の景色は綺麗だなぁなんて
うっすい感想を持つ。
「綺麗だなあ」
「よっ」
外の景色に見とれていると、パコン、と頭を叩かれる。
「…深澤先輩」
「おはよ。…また外見てんの？」
「まぁ、、それいつも聞きますよね」
「んー、よく見てるから気になるじゃん」
あー、寒い寒い。なんて言いながら身体を縮めたまま休憩室へ小走りする深澤先輩。
私の教育係を担当していた方だった。
「飲む？2人とも」
「飲みます」
「私もお願いしまーす」
いつもこの3人で早く出勤し、3人でコーヒー。
なんてのが いつからか習慣となっていた。
「はい」
「ありがとうございます」
彼との会話は、いつまでたっても慣れない。
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…長く片想いをしているから。
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作者名：もずく | 作成日時：2020年5月9日 23時
