予感 ページ43
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『はー…危なかったー……』
煙で奴が驚いてる間に音をたてないように逃げる。意外と簡単に逃げれたから、彼奴も殺す気じゃなかったんだろう。
さっき音を聞いて、幾つかわかったことがある。鬼は鬼舞辻と視界が繋がってる。音が2種類、微かに聞こえたからきっとそう。
…弟が、鬼になったのは本当だったんだなぁ…しかも上弦…嘘だと思ってたんだけど…
僕ももっと頑張らないと…弟に殺されるとかシャレにならないもんな…あ、でも帰ったらまず今日わかったこと書かなきゃ。
なんて考えながら、剣についた上弦の弐の血を軽く専用の布で拭いた。
…上弦の弐に会ったこと、しのぶちゃんには内緒にしておかなきゃ。なんか色々言われそうだし、…とりあえず、お館様にだけ伝えておこう。
なんて考えながら騒がしい遊郭を歩いていった。
*
屋敷に帰って、拭き取った血が乾かないように専用の箱に入れる。
滅多に上弦の血なんて取れないから、これは大切にしておかなきゃ。
細長い紙を引き出しから取り出して、上の弐と書き糊で箱に貼り付ける。
そして、何時もわかったことを記録してる洋紙を取りだし、万年筆でカリカリと書いていく。
静かな部屋に万年筆が紙を削りながら書いていく音と時計が時を刻んでいく音が響く。
さっきまで凄くうるさい所にいたから、なんだかとても静かに感じる。
あ、そういえばあの子が色んな所からさっきの鬼…上弦の弐みたいな匂いがするんだけど、よくその匂いがする店があるって言ってたな…、天元さんに一応伝えておかないと…
洋紙を少し端によせ、机についてる小さな引き出しから便箋を取りだし、あの子が言っていたことをサラサラと簡単に便箋に文字を書いていく。
指笛を吹き、鴉を呼んで天元さんの所にこれを届けるように指示をして飛ばす。
…、なんか嫌な予感がするんだよな…、
杏寿郎みたいな事になりませんように、なんて願いながら、作業に戻った。
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ふぉと - ぎゃあああ神作者様に神作品だ!ぎゃあああ!←はい最高でした愛してる(突然の告白←)出はあなたは神以上の存在ですね!!自分に悲しくなりますよ! (2019年9月8日 13時) (レス) id: f531edd03e (このIDを非表示/違反報告)
江柄子 蛍 - とても素敵だなあと思って感想を書かせていただきましたよ。私と同じ様なジャンルを書かれているにも関わらず圧倒的で好感度を持ちやすいキャラを設定し、物語を進展させていく…貴方は控えめにいって神なのです(確定)。 (2019年9月8日 0時) (レス) id: 64dd8ab2dd (このIDを非表示/違反報告)
味噌煮(プロフ) - 江柄子 蛍さん» ありがとうございます!実を言うと、人物には少しこだわってたので、そう言って貰えて嬉しいです!ありがとうございます、頑張ります! (2019年9月7日 23時) (レス) id: 430e816347 (このIDを非表示/違反報告)
江柄子 蛍 - 味噌煮さんの描く人物像素敵すぎます!応援してます! (2019年9月7日 15時) (レス) id: 64dd8ab2dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:味噌煮 | 作成日時:2019年8月31日 22時