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ハコガク到着! ページ2

「へぇ〜、フミってば『王者』といとこだなんてすごいじゃなぁ〜い」
「そーかねぇ・・・・。普通のいとこどうしって感じだけどな」
 根地がそう声を上げると、隣を歩く更文は苦笑した。
 箱根の街中。更文が東堂に
『久しぶり。箱根にいるんだけどよ、今から会えるか?ぱちのチームのファンだってゆー後輩がいんだよ』
 と送ったら、
『おぉ!フミじゃないか!!こないだの公演すごかったぞ!!!ちょうどいいではないか、うちにも不眠王と娘に会いたいという後輩がいてな!箱根学園の前まで来てはくれないか?』
 と返事が来て、学園目指してみんなで歩いているところだ。
「ま〜さか、あっちも公演見に来ててくれたとはねぇ・・・・」
 更文がそうため息をつくと、希佐と寿々が頬を真っ赤にした。
「そんな有名な人たちに見られていたなんて、はずかしいな・・・・」
「お、俺、箱学の人たちに知ってもらえてるなんて・・・・うわ〜」
「まぁ〜、いい演技だったからいいじゃないの、二人とも!」
 根地が笑って二人の背中をたたいた。
「・・・・はぁ。なにこのテンション、疲れた・・・」
 根地を横目でにらむ美ツ騎は、相変わらずお疲れのようだ。

「お、あれじゃねーか?ハコガク」
 広い坂道を上ったさきに、白い校舎が見えてきた。
「うわー・・。なんか、すごいですね」
 さすが私立、名門箱根学園、といったところか。
 広い。そして、生徒がたくさんいる。ユニヴェールは広く、設備も充実しすぎていてびっくりするくらいだが、四クラスに一学年15名ずつ選抜されるため生徒数は少ないのだ。
 希佐がびっくりしたように目をぱちくりさせると、横で世長と織巻もうなずいた。
「たしかに、人が多いね・・!ユニヴェールより、広いような広くないような・・・」
「どっちだよそれ(笑)てか、あれ、なんだ?体育館・・・て、三つもあるもんだっけ??」
 寿々が首をひねると、更文が笑いながら答えた。
「たしかなー、ひとつ、自転車競技部の専用棟があるらしいんだわ。ぱちがめっちゃ自慢してきた」
「うぇっ!?専用棟・・・すげぇ・・・」
 さすが元剣道部、うらやましそうに体育館を見ている。
「・・あ、いた」
「お!来たのだな!こっちだ!」
  更文がそうつぶやくのと同時に、校門の前に立っている人物がよく通る高めの声をあげた。

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作者名:もゆる | 作成日時:2022年5月21日 18時

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