二十八話 ページ30
胡蝶さんと冨岡さんがぴりぴりしたまま、そして私は何もわからないまま本部へと到着した。
きっと私は事情聴取されて帰されるだけなので、そのあとは茶屋に寄ってから蝶屋敷に行こう…などと考えていた。
「む?A少女ではないか!久しいな!」
『煉獄さん。』
気づけば、周りに柱たちが集まってきていた。兄もいた。手を振ると、何それという目で見られた。それを見て甘露寺さんがキュンキュンしていた。
「相変わらず地味な奴らだぜ」
「もどかしさがまたキュンってくるの、かわいいわ」
「しかしこのままでいるというのも…悲しい…」
「それより不死川はどこに行った」
柱たちはみんな思い思いに話している。
…足元にあの赤みがかった髪の少年がいるではないか。縛られている。やはり、この少年の名前は炭治郎、というのだろう。禰豆子の方が見当たらないが。
見ていると、あわてて隠が駆け寄ってきた。
「いつまで寝てんだ!さっさと起きねえか!」
少年はぱちと目を覚ました。驚いた顔をしている。無理もない。初見の柱は怖いのだ。
「柱の前だぞ!」
あ、私は柱ではないので…後ずさって視界から出た。そうだ、きっとこの少年の裁判が行われるので終わるまで端でこうしていよう。
なるほど鬼を連れていたことに関する裁判か。鬼もろとも斬首が多数派のようだ。どうして柱はこう、血の気が多いのだろう。
興味が無くなったのか、兄がこちらへ来た。空を指さしている。つられて顔を上げた。
「あの雲の形…なんだっけ」
『あれはわたぐもですかね、詳しくないのでなんとも…』
「見た目が綿だから?安易」
そんな事言われても困る。すこし無表情で目を合わせていると、今度は花の咲くほうへ目をやった。
「あの蝶は…」
『あれ知ってます。シジミですよ』
「しじみ?貝じゃないの、それ」
『あ、えーっと…何とかシジミって言うんですよ、確か』
「何それ」
最近兄とはこういうふわふわした会話ばかりすることが多くなったが、退屈しないのでいい。話題が無くなれば兄が居なくなるか、昔の話について話し始めるかだが、今日はお館様の所なので、普段は落ち着いて見る暇のない動植物をまともにみてこの話ばかりしている。
ただ、どちらも詳しくないので、ふわっとして終わるのだ。
「あの木の葉の形…」
『痛そうですね。ああいうの…こうようじゅって言いましたかね…あれ?それは葉が広い…』
「それ色が変わる木じゃない?」
『え?』
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シャンプー(プロフ) - ゆーさんさん» 不快に思われたのなら申し訳ありません。注意書きを付け足しておこうと思います。 (2019年8月9日 12時) (レス) id: 2be3b2296e (このIDを非表示/違反報告)
ゆーさん(プロフ) - あくまで二次創作ですので、時透母についてはこういう人なのだというような感想を持たないようにお願いします。 (2019年8月8日 17時) (レス) id: 91a8b31b94 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー(プロフ) - にこちゃんさん» ありがとうございますー!!!私も時透くん推しです!!じわじわ書き進めておりますのでまったりお待ちくださいませ…!! (2019年7月22日 21時) (レス) id: 2be3b2296e (このIDを非表示/違反報告)
にこちゃん - 私、推しが時透君なので嬉しいです!更新待ってます!応援しています!! (2019年7月22日 21時) (レス) id: 5d74a38634 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー(プロフ) - ゆずさん» ありがとうございます!!!時透くんかっこかわいいですよね!頑張ります…!! (2019年7月22日 17時) (レス) id: 2be3b2296e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シャンプー | 作成日時:2019年7月22日 1時