二十三話 ページ25
人が浮いて…では無いようだ。蜘蛛の糸でぶら下げられている。小屋から一番強い気配がするのであの中にこれをやった鬼がいるのだろう。
「何あれ何あれ、人が…蜘蛛にされてんの!?」
『どうすればおびき出せるでしょうか』
「えっ!?」
何言ってるのという顔でこちらを見てくる。そんな顔で見られても困る。
小屋には飛べば届くが、迂闊に中に入るのもいただけない。
さてどうやって…
「へぐっ…!!」
彼が小屋の方を指さした。指を指した方向へ振り返る。
…小屋の中から糸を出しながらつぃ、と鬼が出てきた。それも、また人面蜘蛛だ。小さいのとは違い、髪の毛が生えている。
「お、俺お前みたいな奴とは口きかないからな!!」
『あれも首を落とせば消えるのでしょうか』
「というか臭くない!?すごく!!臭いよ!!炭治郎なら死んでる!!」
会話が噛み合わないが、そんなことは言ってられない。先手必勝である。
『存在の呼吸伍ノ型…往古来今!』
時が流れるように不規則な動きで相手に近づき、その流れで斬りつける。
首は狙いづらいが、どこかしら斬れるのがこの技のいいところだ。
…しかし。
蜘蛛が口から何かを吐いた。すかさず身を翻して躱したが、靡いた羽織がジュッと溶けた。これは危ない。
「アーッ!大丈夫!?」
『大丈夫です』
なるほどこれは正面突破では行けない。
どこから攻略するのがよかろうか。
「うわこっち来んな!臭い!!気持ち悪い!!」
人面蜘蛛(小)にたかられている。早く逃げろ。
「ア゙ーーッッ!!来るな!来るな!!」
『お、落ち着いて!』
半泣きになりながら木に登ってしまった。速い。
『何してるんですか』
「ごめん、俺は弱いんだ!ものすごくだ!」
え…弱い…?彼から弱い感じはしないが…というより何に脅えてるんだ、口きかないからなと啖呵をきったと思えば…
「そんな所に逃げても無駄だぜ」
「ヒィ!話しかけんな!!」
鬼であろう蜘蛛が口を開いた。
「お前はもう負けてる、咬まれたろ?蜘蛛に」
確かに咬まれていた。だが、それで負ける?必ず死ぬ系の毒だろうか。そんなものあってたまるか。
彼はばっと自分の手のひらを見る。
「な…なんだこれ!?」
「お前も蜘蛛になる毒だ」
…そういう…
…彼が危ない。
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シャンプー(プロフ) - ゆーさんさん» 不快に思われたのなら申し訳ありません。注意書きを付け足しておこうと思います。 (2019年8月9日 12時) (レス) id: 2be3b2296e (このIDを非表示/違反報告)
ゆーさん(プロフ) - あくまで二次創作ですので、時透母についてはこういう人なのだというような感想を持たないようにお願いします。 (2019年8月8日 17時) (レス) id: 91a8b31b94 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー(プロフ) - にこちゃんさん» ありがとうございますー!!!私も時透くん推しです!!じわじわ書き進めておりますのでまったりお待ちくださいませ…!! (2019年7月22日 21時) (レス) id: 2be3b2296e (このIDを非表示/違反報告)
にこちゃん - 私、推しが時透君なので嬉しいです!更新待ってます!応援しています!! (2019年7月22日 21時) (レス) id: 5d74a38634 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー(プロフ) - ゆずさん» ありがとうございます!!!時透くんかっこかわいいですよね!頑張ります…!! (2019年7月22日 17時) (レス) id: 2be3b2296e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シャンプー | 作成日時:2019年7月22日 1時