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十三話 ページ15

「…A。A?どこかで聞いた」


無一郎は、先程まで少女が立ちすくんでいた床を見つめ首を傾げた。


「何だったろう…思い、出せない…A、A」


襖を閉め、元々座っていた場所に再び座る。
あの少女、なにかに脅えていた。何に?僕?何も無いのに僕のところに来て…逃げて…わからない、何も…


「まあ、いい…今は」


何か心に引っかかるが、頭を振り刀を手にした。







『う…うぇっ…ぅう…!』


逃げ出してから、胡蝶さんの屋敷に逆戻り、ギャン泣きしていた。


「Aさんたら、どうしたんですか…落ち着いて、呼吸を整えて」

『兄ちゃん…兄ちゃん…!』


頭はどこか冷静だったが、涙はとめどなく溢れて止まらなかった。

この感情の抑え方なんか、分からなかった。


「…会ったのか、兄に」

「冨岡さん。貴方が会わせたんですか?」

「…」

「まあ、同じ鬼殺隊なので会うのは仕方の無いことではありますが…」


冨岡さんが気づいたら部屋に来ていた。かといって涙は止まらない。


『とみおか、さん…私、私、忘れられていました、でも、兄でした』

「…ああ」

『むい兄ちゃん…会えたのに…ゆう兄ちゃん、死んで、ぅう…!』


胡蝶さんはずっと背中をさすってくれている。

自分の中でぐちゃぐちゃになった感情は、嗚咽とともに吐き出されていた。


「Aさん。あなたは最近柱との任務が増えてきましたよね。それはつまり、霞柱との任務が入るかもしれない、ということ。」

『は、はい…』

「自分の心に落とし前をつけて。彼が何かを思い出すまで、他人のフリをしなさい。あまり思い詰めすぎても、辛いのはあなただけですから」

『っ…わかり、ました』

「まわりの人には伝えておきます。この話には触れるな、と。わかりましたか、冨岡さん」

「…承知した」


ようやく涙がおさまったと思えば、尋常ではない眠気が襲った。胡蝶さんの腕の中で、無遠慮に眠りこけてしまった。


布団へと移動され、すやすやと眠る私の頭を、冨岡さんが暫く撫でていてくれたことなど、私には知る由もない。

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シャンプー(プロフ) - ゆーさんさん» 不快に思われたのなら申し訳ありません。注意書きを付け足しておこうと思います。 (2019年8月9日 12時) (レス) id: 2be3b2296e (このIDを非表示/違反報告)
ゆーさん(プロフ) - あくまで二次創作ですので、時透母についてはこういう人なのだというような感想を持たないようにお願いします。 (2019年8月8日 17時) (レス) id: 91a8b31b94 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー(プロフ) - にこちゃんさん» ありがとうございますー!!!私も時透くん推しです!!じわじわ書き進めておりますのでまったりお待ちくださいませ…!! (2019年7月22日 21時) (レス) id: 2be3b2296e (このIDを非表示/違反報告)
にこちゃん - 私、推しが時透君なので嬉しいです!更新待ってます!応援しています!! (2019年7月22日 21時) (レス) id: 5d74a38634 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー(プロフ) - ゆずさん» ありがとうございます!!!時透くんかっこかわいいですよね!頑張ります…!! (2019年7月22日 17時) (レス) id: 2be3b2296e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シャンプー | 作成日時:2019年7月22日 1時

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