三十三話 ページ35
脇腹だ。急所ではない。落ち着け。おちつけ!
目の前の映像に呼吸が整わない。はやく鬼を殺さなければ。はやく、鬼を殺して煉獄さんの治療を!
『か、はっ…?』
動こうとした私の口から血が吹き出した。鼻がツンとする。先程の爆発の衝撃で…内臓がやられた?
なんて抜かりない。煉獄さんと私の攻撃を同時に受けてあの傷…
「オオオオオオ!!」
煉獄さんが鬼の首に刀をぶつける。
うだうだ言ってられない。あれの反対側から私も切らねば…!
『…っ!参ノ型あああああああ!!』
飛び上がって煉獄さんの反対側から切りつける。
私の血管が切れるほどに力をいれるも、少し刀がめり込むだけで切れてくれない。腹に鈍痛がはしる。喀血も止まらない。…手は止めない!
参ノ型は私の技の中で一番力の出る技のはずだ。これほどまでに、上弦の鬼の首は硬いのか。
…でも、少しずつ、少しずつではあるが刀は通り始めている。煉獄さんに固定され動けない鬼の首は着実に切られている!
鬼に焦りが見え始めた。日が昇ってきたのだ。
「退けぇぇええ!!」
…もっと。もっとだ、力を込めろ!!
『切れろ、切れろ切れろっ…!!』
どこもかしこも痛くなってきているけれど、今まで出したことの無いほどの力をだす。だが、まだ足りない。まだだ、もっと、もっと…!!
ガキンッ。
刀と刀がぶつかり合う音がした。
鬼の首がくら、と傾く。
「な…なぜだ、なぜだ」
落ちてゆく首が、苦悶の表情を浮かべている。
…切った。やった。
やった、殺した…!!
『ん、げほっ…煉、獄さん!!』
鬼の身体を蹴飛ばして、煉獄さんに駆け寄る。
「…A少女。…よくやった…」
『ち、ちがいます…煉獄さん、あなたが、あなたが』
それよりはやく治療だ。止血を…
『た、炭治郎さん!』
「えっ!」
『布!布、貸してください…っ』
「わ、わかった!」
思わず初会話の炭治郎さんに声をかけてしまったが、そんなことはどうでも良い。炭治郎さんの羽織を投げてもらい、脇腹を押さえる。酷い出血だが、煉獄さんも呼吸を整え少しずつ止血を開始しているようだった。
「君!君も口から血が出ているぞ、内臓をやられたのか!?」
『私は、構わないでください、まずは煉獄さんですっ』
599人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シャンプー(プロフ) - ゆーさんさん» 不快に思われたのなら申し訳ありません。注意書きを付け足しておこうと思います。 (2019年8月9日 12時) (レス) id: 2be3b2296e (このIDを非表示/違反報告)
ゆーさん(プロフ) - あくまで二次創作ですので、時透母についてはこういう人なのだというような感想を持たないようにお願いします。 (2019年8月8日 17時) (レス) id: 91a8b31b94 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー(プロフ) - にこちゃんさん» ありがとうございますー!!!私も時透くん推しです!!じわじわ書き進めておりますのでまったりお待ちくださいませ…!! (2019年7月22日 21時) (レス) id: 2be3b2296e (このIDを非表示/違反報告)
にこちゃん - 私、推しが時透君なので嬉しいです!更新待ってます!応援しています!! (2019年7月22日 21時) (レス) id: 5d74a38634 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー(プロフ) - ゆずさん» ありがとうございます!!!時透くんかっこかわいいですよね!頑張ります…!! (2019年7月22日 17時) (レス) id: 2be3b2296e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:シャンプー | 作成日時:2019年7月22日 1時