真夜中のかくしごと・2 ページ9
いきなり呼び捨てで名前を呼ばれ、しばし慌てるAを余所に、ウラタロスは「ねぇ」と話し掛けた。
「僕のどうでもいい話……聞いてくれる？」
「どうでもいい、話……？」
ウラタロスさんの話なんて大体嘘でしょう、と言いかけた言葉を呑み込んで、Aは訊ねる。
それは、どんな話ですか？
ウラタロスはひとつ、Aに悟られないよう呼吸を整えると、一気に胸の思いを明かした。
「……僕、Aちゃんのこと、好きだよ」
え？と聞き返す考えも出なかった。
Aはそれを嘘と疑いもせず、鵜呑みにする。
「本当、ですか……」
「そ。本当」
……実際、それはウラタロスの本心であったから、疑う必要はなかったのだが。
「ていうか、前に言わなかったっけ。気のせいかな。まぁ僕、女の子にはしょっちゅうそういうこと言ってるから、自覚ないんだけど」
でもこれは本当だよ、と釘を差す。
「だって……本当に好きじゃなかったら、こんなことしない」
「…………」
ウラタロスが、Aの脚と己の脚とを絡める。
「Aちゃん、明日のことが気掛かりなんでしょ」
「え？」
「Aちゃん、緊張しすぎでふらふらしてたよ。無意識かもしれないけど」
ふふ、と柔らかく笑うウラタロス。
「ふらふら……してましたか？」とAが問うと、
「うん。足元がおぼつかなかったって感じ」
背後から優しい声が聞こえる。
ウラタロスさんて、やっぱりとてもいい人……。
そんなAのおもいを知る由もなく、ウラタロスは頬と頬とをすりよせる。
「……な、なにを」
今まで以上に近い距離にあるウラタロスに、Aは反応した。……異性とこのような雰囲気になったことがほぼ無いAにとって、これはあまりにも刺激的過ぎたのだろう。Aは顔を林檎のように真っ赤に染めた。
「僕、そんなに重く考えなくてもいいんじゃないかなって思うんだよ」
「重く……？」
助言のつもりか、ウラタロスが呟くようにして言った。
「うん。だって、あんまり思い詰めてたら…………うまく戦えないよ」
「うまく……戦えない……」
ウラタロスの言葉をそのまま反芻するが、いまいちAはその意味を理解できないようだ。
……大抵のことは出来るのに、何故こんな簡単なことは理解できないのか。
不器用すぎるのか、Aは。
それとも本当に、言葉の意味が理解できていないだけ？
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星砕(プロフ) - にわとりさん» すみません、お友だち申請とかはよく分からないので、申し訳ないのですができないです……すみません！小説のほうは、受験生ですので難しいかもしれませんが、時間のある時に読んでみます！お誘い、ありがとうございます！これからも応援、よろしくお願いします！ (2019年8月26日 22時) (
レス) id: 567175ed17 (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(プロフ) - ありがとうございます..！あの、宣伝とかじゃないんですがよければ私のお話読んで意見とか良ければ下さい..！また、友達申請を送っても大丈夫ですか？ (2019年8月26日 22時) (レス) id: b7c5b25082 (このIDを非表示/違反報告)
星砕(プロフ) - にわとりさん» コメントありがとうございます！番外編は前々から書きたいと思ってました！まだ続きますので、まだ少しだけ、異時点の少女の物語にお付き合い下さい！ (2019年8月26日 22時) (レス) id: 567175ed17 (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(プロフ) - 少しの続きが見られて嬉しいです！ (2019年8月26日 22時) (レス) id: b7c5b25082 (このIDを非表示/違反報告)
星砕(プロフ) - 柚子×2さん» コメントありがとうございます！イマジンは癒やされますよね！実は私いまさら電王にはまってしまいまして……電王面白いですよね！応援ありがとうございます！ (2019年6月10日 22時) (レス) id: 567175ed17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星砕 | 作成日時：2019年5月4日 14時
