番外編・５ ページ44
……とりあえず。
Aが喧嘩を収め(喧嘩するんなら行きません、と言うだけで喧嘩は収まったのだ)、リュウタロスが「クマちゃんも一緒にどう？」とキンタロスを起こして訊き、キンタロスも「一緒に行くわ」と目を覚ますと、五人は母に行き先を伝えて外に出た。
蝉の鳴き声がする。耳が痛くなるくらいの音量だ。
日は足下のアスファルトに熱を撒き、アスファルトはその熱を外に放出する。
「あつい……」
Aがそう言うのも無理はなかった。
だがリュウタロスがものすごく楽しそうに歩いているのを見ると、その暑さも吹き飛ぶくらいにこちらも楽しくなってくる。
「ねーねー、Aちゃん」
リュウタロスが口を開いた。
「『ガッコウ』って、楽しいところなの？」
「……え？」
Aと三人のイマジンたちはその場に立ち止まった。なんだ、その質問。
リュウタロスは不思議そうな顔をして「え？」と訊き返した。「……僕、なにかヘンなこと言った？」
「いや……」
Aは、そうとしか言えなかった。
学校を知らないなんて、そんなこと、あるのだろうか？
それは、リュウタロスが学校に行く前の年齢だから？けれどリュウタロスの本当の年齢を、Aは知らない。
では、リュウタロスがイマジンになる前にいた時間では、学校制度は崩壊していたのだろうか。そんなことが、あるのか？
他のイマジンたちを見る限り、三人の元いた時間には学校があったらしい。
……リュウタロスは学校を知らない。とにかくその事実がAと三人のイマジンを驚かせた。
Aは己を落ち着かせると、言った。
「……じゃあ、私がリュウタロスさんに学校がどんなところかをおしえてあげますね」
「ほんと！？やった！」
それを聞くなりリュウタロスは、ぴょんぴょん飛び跳ね笑顔になった。
こう見ると就学前の幼稚園児か保育園児にも見えなくはないな、Aはそう思いながら公園までの道のりを歩いた。
＊＊＊
「……へー、じゃあ学校って、そんなことまで勉強するの？」
公園に着いた一同は、リュウタロスに学校についてのあれこれを話した。
「そうだよ。中にはそのまま大学に残って、そういうことを勉強するひともいるね」
ウラタロスが教えているのは大学についてだった。リュウタロスが目を輝かせる。
「じゃあ僕も大学行く！それで、ダンスとか勉強する！」
「あー、ダンスは勉強にないんじゃないかな？」
そんな、楽しい時間を過ごしていた。
……この時までは、楽しい時間を。
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星砕(プロフ) - にわとりさん» すみません、お友だち申請とかはよく分からないので、申し訳ないのですができないです……すみません！小説のほうは、受験生ですので難しいかもしれませんが、時間のある時に読んでみます！お誘い、ありがとうございます！これからも応援、よろしくお願いします！ (2019年8月26日 22時) (
レス) id: 567175ed17 (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(プロフ) - ありがとうございます..！あの、宣伝とかじゃないんですがよければ私のお話読んで意見とか良ければ下さい..！また、友達申請を送っても大丈夫ですか？ (2019年8月26日 22時) (レス) id: b7c5b25082 (このIDを非表示/違反報告)
星砕(プロフ) - にわとりさん» コメントありがとうございます！番外編は前々から書きたいと思ってました！まだ続きますので、まだ少しだけ、異時点の少女の物語にお付き合い下さい！ (2019年8月26日 22時) (レス) id: 567175ed17 (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(プロフ) - 少しの続きが見られて嬉しいです！ (2019年8月26日 22時) (レス) id: b7c5b25082 (このIDを非表示/違反報告)
星砕(プロフ) - 柚子×2さん» コメントありがとうございます！イマジンは癒やされますよね！実は私いまさら電王にはまってしまいまして……電王面白いですよね！応援ありがとうございます！ (2019年6月10日 22時) (レス) id: 567175ed17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星砕 | 作成日時：2019年5月4日 14時
