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さようなら ページ14

__この日のデンライナーは、特別運行で、暫く現世に留まっているらしい。
一般人には見えないような場所にデンライナーは停車しており、いつもは虹色の空しか見えない窓の外も、今日はビルなどの建物でいっぱいだ。

「Aちゃん、いつあの工場に行くの?」
そう尋ねてきたのは、リュウタロスである。夜の近くなってきた空を見て、リュウタロスは気になったらしい。
「人目がつかなくなったら……ですかね。まだあと少し先です」
食堂車の中を綺麗に掃除しているAが、リュウタロスのほうを向いて答えた。……先程まで、モモタロスとウラタロスが色々と騒いでいたのである。Aはそれによって散らかった食堂車を、掃除しているのだ。
「本当?黙って出てっちゃったら、僕許さないよ?」
心配そうな瞳で、リュウタロスはAの目を見た。本人にその気は無いのだろうけれど、顔と顔との距離が近くなってしまい、つい、心臓の鼓動が速くなる。
「そんなこと……しませんよ、大丈夫です」
「本当の本当に本当?」
「はい。本当の本当に本当の本当です」
Aの返答に、「ならいいんだけど……」と未だ心配するリュウタロスは、窓の外を再び見やった。
橙色と青色の混ざり合う空で、金星が輝いている。……確か一番星というのは、金星だったはずだ。
リュウタロスは、この間本で読んだ知識を思い出しながら、空を眺めた。
雲一つない、澄んだ空。一番星だけが輝いている。
太陽は、今にも沈みきろうとしていた。

※※※

そっ、とAはデンライナーの扉を閉めた。久々に嗅いだ外の空気は、以前と変わってはいなかった。
「……ごめんなさい、リュウタロスさん」
Aは振り返ってデンライナーに向かいそう呟くと、足音を立てず走り去った。

『黙って出てっちゃったら、僕許さないよ?』

Aの頭の中には、リュウタロスの言葉が響いていた。
……ごめんなさい、ごめんなさい……。
Aは、リュウタロスとの約束を破り、一人きりで外へ出てきたのである。丁度、イマジンたちが「早めの風呂だ」と言っていた頃だ。

__これは、私の戦いだから。
皆さんに、迷惑や心配は掛けたくない。
私は、私は__……。

自分を正当化しつつ、Aはただ空に立つあの廃工場の煙突だけを頼りに、黒いイマジンの居る場所へと、向かっていく__。

恨み、怨み→←騒々しいマスコミもどき



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星砕(プロフ) - にわとりさん» すみません、お友だち申請とかはよく分からないので、申し訳ないのですができないです……すみません!小説のほうは、受験生ですので難しいかもしれませんが、時間のある時に読んでみます!お誘い、ありがとうございます!これからも応援、よろしくお願いします! (2019年8月26日 22時) (レス) id: 567175ed17 (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(プロフ) - ありがとうございます..!あの、宣伝とかじゃないんですがよければ私のお話読んで意見とか良ければ下さい..!また、友達申請を送っても大丈夫ですか? (2019年8月26日 22時) (レス) id: b7c5b25082 (このIDを非表示/違反報告)
星砕(プロフ) - にわとりさん» コメントありがとうございます!番外編は前々から書きたいと思ってました!まだ続きますので、まだ少しだけ、異時点の少女の物語にお付き合い下さい! (2019年8月26日 22時) (レス) id: 567175ed17 (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(プロフ) - 少しの続きが見られて嬉しいです! (2019年8月26日 22時) (レス) id: b7c5b25082 (このIDを非表示/違反報告)
星砕(プロフ) - 柚子×2さん» コメントありがとうございます!イマジンは癒やされますよね!実は私いまさら電王にはまってしまいまして……電王面白いですよね!応援ありがとうございます! (2019年6月10日 22時) (レス) id: 567175ed17 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星砕 | 作成日時:2019年5月4日 14時

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