虹色の恋。Ⅰ (ページ50)

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約束 Blue ページ50

「ただいまー」

今年のクリスマスは、約束通り夜ご飯を一緒に食べられる程度の時間には帰ってきた彼。

「おかえり」

そして、私も約束通り、わざわざミニスカサンタのコスプレを着てあげた。

私、優しい。

「わ、ほんとに着とる」

珍しく、かーわいいっ！と騒ぎながら、抱きついてきた彼のコートを脱がす。

今日は彼の好みにとことん付き合おうと割りきったから、恥ずかしいこともとことんやりますよ。

「ご飯にする？お風呂にする？それとも……」

「え、やばいやばい」

彼は顔を真っ赤に染めて照れてる。

そんな顔みたら、私も余計恥ずかしくなる。

「A！って思ったけどー、ご飯もうできてるから、ご飯食べよ」

「りょーかい」

まさかここでA！とか言ったらどうしようかと思ったけど、よかった。

「でー、そのあと、一緒にお風呂入って、もっかいサンタコスして。」

……彼は、私の想像より理想高めでした。

「はい、」

ダイニングテーブルの対面に座ったら、差し出されたのは……小さな箱。

開けてみると、おしゃれなデザインの指輪。

「え……これ、」

「俺の仕事的に結婚はもうちょい先になると思うけど、俺は、Aと結婚したいと思ってるから。……ちゃんと結婚指輪渡せるまで、これ、つけててもらえませんか。」

「……あり、がとっ！」

嬉しくて、はらはらと涙が零れる。

「泣くことやないやんかー。」

彼はちょっとバカにしたように笑うけど、彼も緊張していたのだろう、安心した顔をしている。

「こないだ俺がソクバッキーやってばれちゃったからさ。他の男に俺のやってわかってもらえるように。」

そういって、私の左手を手に取り、薬指に指輪をはめる。

「嘘、なんでぴったりなの」

「さぁ、なんででしょう」

そういって、私に笑いかけた彼は、今までみた中でも最高にかっこよかった。

「今日はサンタになって流星の理想をプレゼントしようと思ってたのにな」

私の方がサプライズされちゃった、

と呟いたら、

「じゃあ、こっからはAサンタからプレゼントちょーだい。」

って、意地悪に笑った。

END

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読んでいただきありがとうございます。

移行先虹色の恋。Ⅱも、よろしければお付き合いくださいませ。