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「まずなに乗る？」
「とりあえず、トイマニ！」
「混むな、急ぐか」
早足でそちらのエリアへ向かうと、嫌でも目に入る、大きな建物。
「あ、待って、タワテ乗りたい、FP取ってくる！」
「え、絶対嫌や、」
「だって、ハロウィンだよ？」
「いや、なんの関係があんねん！」
絶叫苦手な淳くん、嫌すぎて標準語ルール忘れてる。
しかも、声が大きすぎて、何人か振り返ってるし。
クスクス笑ってるだけだから、バレてないと思うけど、念のため、
「やだ、たっくん！なんで関西弁なんか使ってんのー？」
と大きな声で冗談混じりに突っ込んでおいた。
はっと顔をひきつらせた淳くん。返事は、
「いや、ツッコミといえば関西弁かな、って思ってさー。」
だった。いや、ちょっと無理あるんじゃ。
「とにかく！俺は嫌だからな！」
うん、淳くんの標準語、未だに慣れない。
まだ動揺して、ちょっとぎこちないし。
「大丈夫大丈夫。何年か前にテレビで誰かが言ってたから。大事な人としっかり手を握ってれば怖くないって」
「なっ……！おま、何年前の話、」
「こないだ録画見てたのー！」
「クッ……ソ、しゃーないな、」
なんとか許可は貰えたけど、やっぱり動揺しているんだろう、関西弁に寄ってる。
映像の部屋を通り抜け、いよいよ逃げられなくなってきて、淳くんの顔はどんどん強張っていった。
「びびりすぎー」
「しゃ、仕方ないだろ、アイツが怖すぎるんだよ！」
実は天然なところがある淳くん、怖いときはわかってても関西弁を使いそうになる模様。
まぁ、今のは噛んだだけみたいに聞こえるから、セーフ。
ちなみに、淳くんの言うアイツとは、あの有名な人形のこと。
淳くんは、ホラーも苦手だし、人形も苦手。
そりゃ、ビビるな、と納得するけど、言ったら逃げるだろうから心の中に留めておく。
「あんなの、映像じゃん」
「いや、最近の映像技術がすごすぎる」
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作者名：カミツレ | 作成日時：2017年9月30日 13時
