虹色の恋。Ⅰ (ページ12)

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大阪の大きな水族館に現地集合して、待ち合わせ場所に行くと、お兄さん親子はもう既に到着していた。

「ねぇちゃ、ねぇちゃ、」

「芽衣ちゃんー！」

私を見るなり、一生懸命てくてく歩いてきて抱きついてきてくれる芽衣ちゃん。

二週間ぶりの愛の抱擁。

あぁ、ほんとにかわいい。

やっぱり、小さい子は、正義だ。

「久しぶりだねー！お兄さんも、お久しぶりです！」

「久しぶりかぁ？こないだも家来てたやん。」

お兄さんが苦笑いしながら隣に並ぶ。

「二週間も前の話じゃないですか！」

「何言うてんねん、照史なんか、お盆以来やで？」

なぁ？とお兄さんが振り返るので、私もそちらを見ると、番犬顔の照史がいた。

芽衣ちゃん、照史の顔を見て、怯えてる。

「普通そんなもんやろ、大人なんやから。大体、俺には仕事があるんじゃい」

「何、その私が無職みたいな言い方」

「言ってへんやろ、んなこと」

いつもみたいに言い争いをしていると、芽衣ちゃんの私の服を握りしめる力がどんどん強くなっていく。

「おいおい、いつまでやってんねん。夫婦喧嘩は犬も食わへんで？」

「まだ結婚してませんから。ほら、照史、芽衣ちゃん怖がってるから。」

「ったく、なんやねん……」

その後も照史は一人でブツブツいっていて、それを見たお兄さんがクスクス笑っていた。

でも、私には何をいっているのかはわからなかった。