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Story 1 ページ1

朝、家を出て通学路を歩くと


「あ…」


自転車を押す重岡先輩の後ろ姿を見つける。

何で押してんだろうと不思議に思いながら、重岡先輩に追いつく。


「先輩!おはようございます」
「お、Aやん。おはようさん」


朝から元気やな〜と頭を撫でられる。


「先輩、こんなにゆっくり行って大丈夫なんですか?」


只今8時25分、校門が閉まるのが30分。

つまり、あと5分で行かないと…


「遅刻ってわけやな。まぁ、俺がさせへんから安心しや」


と、自転車に跨る重岡先輩。


「ほら、早よ」


グイッと腕を引っ張られ、荷台に座る。

少し遠慮して軽く腰に腕を回すと


「そんな力やったら振り落とされんで」


と、私の腕を掴んで、しっかり自分の腰に巻きつける重岡先輩。


「ちゃんと掴まっときや?」
「あ、はい…///」


返事をするや否や、猛スピードで先輩が漕ぎ出した。



丘の上に建てられた私たちの高校は目の前にあるこの長い坂を登らないといけない。


「先輩、降りますよ」
「ええから、しっかり掴まっとき」


息を切らしながら必死にペダルを漕ぐ重岡先輩。


「もう、少しや…」


立ち漕ぎをする先輩の背中は広くて大きくて、頼もしかった。


「…っしゃ、着いたー!」


なんとか遅刻せずに校門を抜けることができた、と思ったけど…。


「着いたーちゃうやろ!2人乗りは禁止や!」


生徒指導の中田先生に見つかり、朝から怒鳴られることに…。


「怒られてもうたな笑」


って、少年のような笑みを見せる重岡先輩。


「遅刻しなかっただけでも良い方なのに…」
「ははっ、せやな。遅刻しとったらもっと怒られてたわ笑」


他愛ない話をしながら昇降口へと向かう。


「じゃ、後でな」
「はい」


ぽんぽんと頭を撫でられ、重岡先輩の背中を見送る。


「はぁ…幸せ…」


いつも通りの朝。

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ibu - とても面白かったです  (2015年4月18日 23時) (レス) id: 0b8078b4c6 (このIDを非表示/違反報告)
redjasumin - 今日はじめて読みました! とても面白いです! (2015年3月2日 16時) (レス) id: 5da467666c (このIDを非表示/違反報告)
櫻井せいな(プロフ) - 完結おめでとうございます!Twitterでも完結おめでとうございます!お疲れさまでした!次のも待ってます! (2015年2月22日 12時) (レス) id: e17df9f6f7 (このIDを非表示/違反報告)
優衣(プロフ) - うぅ(´;ω;`)最高です!更新待ってます!!! (2015年2月17日 19時) (レス) id: c32db7f98e (このIDを非表示/違反報告)
NEWSちゃん - 続きが気になる!!更新頑張ってください^^ (2015年2月16日 18時) (レス) id: dc734edbc3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Up to you | 作成日時:2014年11月23日 13時

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