お願いですから、× kj ページ8
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何かやつれてる…
グッと引き寄せられた時のその腕は少し細くなってるし、目の下にはクマがあった気がする。
｢こーじ寝てないでしょ｣
康｢A様が寝てないなら僕も寝ません。｣
…本当、この忠誠心というか何なのだろう。
前からそうなんだけど…ここ最近は特におかしいってくらいだよ。
｢…今はお世話係。執事じゃないでしょ｣
康｢……怖いんですっ、突然…、｣
…そこまで言うと、抱きしめる腕の力は強くなってきて、若干苦しい。
康｢…ある日突然、起きなくなったらって……っ、思ってしまうんですっ｣
｢…それさ、｣
それってさ、…もしかして。
｢…執事辞めたことに関係してる？｣
康｢っ、…、｣
震え出した康 二を見て、触れて、確信した。
｢…話してくれるかな、｣
康 二の目を見ながら言えば、｢このまま話してええですか｣…って。
私を抱きしめ直すと、ぽつりぽつりと話してくれた。
康｢……結論から言えば、僕がお仕えしていた方は、お亡くなりに…っ、なられました、
まだお若くして…。
お仕事が忙しくなってから、少しずつ体調を崩されていて…ストレスや、過労、
……それから、…ノイローゼになってからはもう、…っその、｣
…きっと康 二はその人と、私を重ねてるんだ…。
フラッシュバックしてたんだね。
｢…康 二、いいよ。ごめんね｣
康｢ｯｯ……怖いねん、…嫌や、大切な人が居なくなるんは、…っもう、いやや……っ！｣
悲痛な心の叫び。
いつも康 二はどこまでも優しくて、強くて、少しおバカだけど楽しくて、笑顔で。
けど、…これは、心の叫び。
｢…私は大丈夫だよ｣
康｢その大丈夫って、ほんまに信用してもええの？……っ、
あの時も大丈夫って言っとった、…せやのにっ､！！
…ッ…お願い、お願いやからっ……無茶せんとってくださいっ｣
自分のせいでその人が…って思ってるのが痛いほどに伝わる。
でも…でもね
｢私はその人じゃない、私は私。……本当にキツくなったら言うよ、ちゃんと｡｣
康｢…、ほんならそれ約束ですっ、｣
｢.. ､約束破ったら針千本飲むよ。笑｣
子どもみたいな約束をして、やっと安心してくれたのか…
康｢Aさまぁぁっ、怖かったぁ…っ、｣
｢よしよし｣
わんわんと泣き出す康 二。
…その後は、栄養たっぷりなご飯を二人で美味しく頂きました。
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作者名：じゃらし | 作成日時：2020年7月11日 23時
