聞こえたから × iw ページ37
この妄想ちょっと病んでます、オチもなし苦手な方はひとつ上のお話どうぞ..
" たすけて "
そうやって口に出せたらどれだけ良いのだろうか。
照｢ よ、A久しぶり ｣
｢ あ ､ ... ひかる ｣
照｢ .. ｣
久しぶりに誘ってもらって、お店に先についた私はちびちびとお酒を嗜んでいたところに同い年の、照。
｢ ん？｣
照｢ いや、.. 何か頼んだ？｣
｢んーん、まだ ｣
なんてやり取りをしてからは、仕事がどうだとか休みの日はどうとか、割とどうでも良い近状報告をして。
｢ ... そろそろ帰る？｣
照｢､ そうだな、じゃ送る ｣
お会計は割り勘。
そして必ず、飲んだら照は私を送るというのがいつの間にか決まり事になっていた。
照｢ お前さ ､ ｣
｢ んー ｣
照｢ なんかあったろ ｣
｢ んは、ないよ ｣
この手の探りはいつも適当に返して終わるんだけど…
今日はそうはいかなかった。
照｢ 話すまで帰さないよ ｣
｢ 照って時々強引だよね ｣
照｢ はいはい、で？｣
照の目を見たら、本気だ、と言わざるを得なくなって。
さわりをざっと話したら、私の方が抑えられなくなって結局ほぼ全部を話してしまった。
照｢ .. 俺さ、今日誘ったのは、聞こえたから。お前の声が。｣
｢ 、｣
照｢ …本当に聞こえたわけじゃねぇけど。なんかそんな気がして。｣
あぁ…、自分が装着してる鎧がボロボロと剥がれ落ちてく感覚だよ、笑
照｢ Aが絶対に口にしない言葉、聞こえた気がして。
…こんな限界になるまで抱え込むとかお前らしいな、.. 笑｣
｢ っ、ふ、.. ｯ ｣
照｢ ほら、｣
頭を照の胸板にクイッと寄せられて、優しく包んでくれる。
その温かさに、ほんの少しだけよりかかってもいいかな、
お酒で酔ってるから、そうやってお酒のせいにしてくれるかな
照｢ .... 優しすぎるよ、お前は ｣
結局そのまま泣き疲れて眠ってしまったらしく、気づいたら、多分…照の家。
律儀に布団に寝かせてくれたらしい。
…ずっと頭を撫でてくれてたのか、私の頭を包むように置かれたままの照の腕。
照｢ .. ､....... はよ ｣
｢ おはよ ｣
照｢ 一応言っとくけど何もしてないよ ｣
｢ 分かってるよ ｣
照の優しさが大きくて、あたたかい。
｢ .. ありがと ｣
そう言ったらホッとしたように、無言で頭を雑に撫でられた。
やっぱり柔らかい笑顔で。
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作者名：じゃらし | 作成日時：2020年7月11日 23時
