抱擁 × fk ページ27
代わりの続
オチなし ※妄想です
あれから半年 ..
やっと少し慣れてきた頃かな、なんて暢気に思ってたとき。
｢ ふっかー ｣
深｢ おーおーどうした､ ｣
本当に珍しい。
初めからこうして来るなんて事は、まずない。
.... てことは、だ。
深｢ ん？｣
｢ .... ｣
相当落ちてる訳だ。
.. できる事ならもうコイツの泣いた顔は見たくなかったんだけど。
深｢ ､ ... ｣
俺に一瞬向けられたその表情は
泣きそうなくせして、微笑んでんの .. ｡
｢ ...... 終わり､ なんだって .. 笑 ｣
深｢ ぇ､... ｣
｢ ｯ ... ､ 今年でスタジオ畳むんだって。｣
それだけ言うと ｢ はーあ、笑｣なんて言って笑ってる。
苦しげに。
｢ 私じゃ経験不足なんだよね、ひとりじゃ、ダメで。技術も足りない…なんて。結局そうなんだよ｣
深｢ それは､ ｣
｢ それにね？経営難。生徒の人数的にも成り立たないんだって。
笑えるよね、笑 .... ねぇ笑ってよ、私の事さぁ。
ただのその場しのぎの継ぎ接ぎだった。見た目も良くない、不格好な継ぎ接ぎ、笑笑
ブランド物には一生なれない、どこかの切れ端。
ねえ笑ってよ馬鹿だなお前ってさ、惨めだなって。｣
.. 言いながら涙ためて、口許だけ無理に笑顔つくってんの。
そう言って欲しくて俺んとこ来たんじゃねーだろ…
また背中を向けたコイツの肩は僅かに震えてて、泣いてんだってきっと誰が見ても分かる。
深｢ そんなこと言わねぇわ、... てか ひとりで泣くな馬鹿野郎 ｣
｢ っ、.... ｯｯ｣
コイツが着てるパーカーのフードを軽く引くと、簡単に俺の腕に収まった。
抱き寄せたその肩と背中はあまりにも小さくて、これ以上腕を強めたら壊れそう。
｢ ｯ ... ､｣
深｢ がんばったな ｣
仕事辞めて、次の職に就くことだって出来たはずで、もちろんその方が金銭面もラクだったろうに
教えの他にスタジオの事務作業だとか雑務とかもあるからなんて言って、結局はアルバイトという選択をして。
身を削ってまでそのスタジオを守ってたのを俺は知ってるから…
軽率な言葉なんて、かけられる訳がなかった。
深｢ .. つらいな、｣
｢ っ、｣
声も出さずに泣く事に慣れてしまったコイツ…。
ちゃんと見てないと、泣いてる事にすら誰も気づかない。
だから俺が見てやるって…守ってやるって決めてる。
それに唯一、… 一生
俺に頼らせたい子だから。
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作者名：じゃらし | 作成日時：2020年7月11日 23時
