妄想倉庫③ (ページ14)

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狐 × mmab ページ14

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その後、何かあった時の為の電話代と少しのお小遣いを持ってた俺は、

お気に入りの駄菓子屋さんに連れてったんだっけな。

『…やっぱり阿部ちゃんだ』

阿｢あ、そういえば何で俺の名前知ってんの？｣

『俺、駄菓子好きなんです』

阿｢…うん？笑｣

目黒の話の意図が読めない。

けど目黒はいたって真剣な顔つき。

『俺がガキだったとき、人間の子がわざわざ買ってくれたんすよ』

阿｢…、｣

『その子が理不尽な事で色々言われてんのが、ガチでムカついて、いじめっ子たちに狐火出して脅かしてやったの。
……そしたらさ、" やめて " って言うからびっくりした。』

…ねぇその話、……もしかして、、

『だって、自分は泥で汚れちゃってるのにだよ？…なのにアイツらが怖がってるからってさ
俺は怖がらせちゃおうって思ったのに…。

しかも、" 駄菓子 " ってやつもくれた。人間の中には、こんなに優しい人間もいるんだって初めて知ったんすよね、』

うそ、…でしょ、
だってそんな偶然ある？

『…その時のお菓子、美味しかったなぁ、…。
今でもずっと覚えてます。お菓子の味も、

………あなたの事も。』

あの時は物陰に隠れてて、……完全に狐の容姿をしてた。

『…あ、どうですか、俺頑張って人間の姿になれるようになったんです。』

阿｢…うん、かっこいいね｣

『ふはっ、…あれから色んな人間に会ってみたけど阿部ちゃんくらい優しい人間ていないんだね。』

だなんて、やっぱり目をキラキラさせて楽しそうに言ってる目黒。

阿｢…そんな事ないんじゃない？佐久間も優しいよ？｣

『マジでいないんすよ、…だからずっと会いたかったです俺。阿部ちゃんに。』

阿｢……、｣

俺は今まで友達と言える友達は佐久間しかいないし、会いたいと言われるのも佐久間しかいなかった。

それは、今までも…そして、これからも変わることは無いだろうと思っていた。

『阿部ちゃん、？』

阿｢、いや…ちょっと嬉しくて…。なんだかくすぐったいや。…ふふ｣

佐久間が俺に興味を持ってくれた時と同じような感覚。

そう、友達が出来たような、…。

『、』

阿｢…あれ、俺変なこと言った？｣

パチクリとした目で俺を見て、それからなんだか俺まで幸せになるような笑顔を向けてくれて。

『俺阿部ちゃん好きだわ！』

…そう言った __

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