妄想倉庫② (ページ19)

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〇〇の娘ってだけで。× kj ページ19

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その日の帰り。

タオルはもうあの人がずっと持ってるから諦めて帰ろうとした時…

『…最低だね、汚いタオル使わせるなんて』

｢、｣

汚いと分かってながらも使わせてしまった事に変わりないし。

…だから言い返せない。

反応しない事がこの人の気に障ったのか、次に話される言葉に鼻の奥がツン、とした。

『Aの親って昔虐待されてたんでしょ？あれはその腹いせって、本当なの？…だとしたら相当、執念深いよね。笑

……こーわっ、Aもいつそうなるか分かんないね。その血が流れてるんだから』

｢…っ、｣

でもまた、何も言い返せない。

多分…そうだから。

母がおかしくなったのは、祖母と暮らすようになってから。

この二人の昔の話なんて、何回聞かされたか…

母は毎度のこと、" 栄養失調だった、殺されかけた、お母さんにも同じ仕返しをする " ……そう叫んでた。

その日は…それを止めても、どれだけ止めても感情を抑えてあげることは出来なくて。

……… 気づいた時には、倒れてる祖母がいた。

警察と救急に連絡して祖母は一命を取り留めて、
…母は殺人未遂の容疑者として連れてかれた。

…今は警察病院の精神科にいる。

康｢…やっぱりそういう事やったんや。｣

｢、！｣

今度はこの人が、たまたま通りかかったのかな。
話を聞かれたくはなかったけど。

まぁ…学校中、……世間中が知ってる事件だからこの人も知ってるか…。

康｢なぁ、Aが何したん？…なんもしとらんよな？
……なぁ知らんやろ、この前子犬助けてたの。
…知らんやろ、目の見えない人が倒した自転車一緒に直してあげてんの、……っ、Aのお母さんもホンマはすっごい優しい。それも知らんねや…悲しいヤツらやな

なんも知らんやろっ！！？

コイツの事なんも知らんと虐めんのなんでや…っ！？お前らそれでも人間か？！｣

……泣きながらクラス中に訴えるこの人に。

ただただビックリして言葉も涙も出てこない…

康｢…っ、俺、こっちきてからAに助けてもらってばっかやねん…。俺は、Aが好きやっ…、、…っ｣

｢…ばかだね、何自分の敵作ってるの｣

康｢なら俺ばかでええ、Aを守れるんなら、バカでもあほでもええ、っ｣

…その日から、私への嫌がらせは少なくなったんだ。

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