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「Aさん、体調悪い？大丈夫？」
1番最初に話しかけてくれたのは作間さん。
「立ちっぱなしで疲れただけなので大丈夫です。ありがとうございます。」
「Aつまんなそうな顔してんじゃん、そんな俺と話せないのが寂しかった？(笑)」
「全然そんな事無いから安心して、蒼弥」
「俺は逆にAと話せなくて寂しいわ。今の間に話そうぜ。」
「優斗、なんか久しぶりだね」
蒼弥を押し退けて私の正面に座ってきた優斗はまだまだ元気そうだった。
「絶対暇だったでしょ？Aちゃんも何かアトラクション乗れば良いのに。今の間に一緒に乗りに行く？」
疲れているはずなのに気遣いを見せてくれる涼くんは相変わらず優しい。
「みんなのロケの様子見てたら楽しいよ。だから涼くんは休んでて？」
私を囲んでワイワイ4人が話す中、1人だけ距離を取る瑞稀くん。
そっか、ここも外に含まれるからいくらスタッフさんしかいないとは言え私と仲良くするところを見られる訳にはいかないのか。
ここでも発揮されるプロ意識はさすがとしか言いようがない。
瑞稀くんを見ていると4人とも私と話してて大丈夫なのかな、と心配になってきた。
「ロケ再開しまーす」
スタッフさんの声が聞こえ、みんなは私に手を振ってからぞろぞろと持ち場に戻った。
遊園地ロケも無事に終わり、東京を出た時には東にあった太陽はすっかり西に落ちていた。
バスに乗り込み宿へ向かう。
バスは今までと同じくメンバーとスタッフに分かれていた。
宿までは案外近くて、1時間弱で着いた。
山の中だと聞いていたからもっと遠いのかと思っていた。
宿に着くと、ようやく私の仕事が始まる。
宿と言っても旅館やホテルと言った場所ではなく、管理人さんが1人いるだけの民家のような場所だった。
私が今からやるべき事はご飯と布団の準備。
5人は今からお風呂で何かしら企画撮影をするらしいのでその間に準備しなければならない。
食材はかなり揃っている。
何でも作れそうだ。
私は冷蔵庫に入っていた野菜に手を伸ばし、早速調理を始めた。
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作成日時：2023年3月22日 22時
