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「ただいま〜。仲良くやってくれた?」

ドタバタおままごともお兄ちゃんの帰宅で無事に幕を閉じた。
私と瑞稀くんは燃え尽きて死んだ顔をしていたけど。

「おにーちゃん、かぞくしゃしんとって!」

「良いぞ。いつも通りきららちゃんとか?」

「うん!あとじゅえるちゃんとみずきおにーちゃんとAおねーちゃんも!」

「だってよ、井上、A。最後に付き合ってやってくれ。」

私たちは家族写真を撮るために、花ちゃんの指示で

瑞稀くん 花ちゃん 私

の順で並んだ。

はなちゃんの膝の上にはきららちゃん、私の膝の上にはじゅえるちゃんが乗っている。

「ほい、撮れたぞ、花ちゃん。」

「わーい!みずきおにーちゃん、Aおねーちゃん、ありがとう!」

くたくただけど、やはり小さい子は可愛い。
笑顔でお礼を言われると、疲れが少し和らいだ。
瑞稀くんも同じようで、アイドルスマイルが戻っていた。

「しかし、こう見ると本当に家族みたいだな。」

「やめてよお兄ちゃん。」

「どうだ、井上。うちの妹。井上ならやっても良いぞ。」

「こら、瑞稀くんに失礼でしょ!」

「…アイドルなんで大丈夫です。」

「ははっ、フラれたなA」

「ちょっとお兄ちゃん!」

もう…ほんとに…勝手におすすめして勝手にフラれたことにしないでほしい。

もう夜遅いということもあり、お兄ちゃんが車で家まで送ってくれた。

「ありがとな、A、井上。今度良いもん食わしてやる。」

「約束だよ」

「はいはい。…あ、さっきの写真送っといたから見とけ」

「わかったわかった。じゃあね、お兄ちゃん。」

「またお仕事で、Aさん。」

「井上は真面目だなー。じゃあな。」

やっと全部終わった…。

今から急いで晩御飯作らないと、そう思い扉に手を掛ける。

「瑞稀くん、入らないの?」

後ろにいた瑞稀くんは家に入ろうとせず何やらスマホを見て微笑みを浮かべていた。

「何見てるの?」

「何もない。」

そう言った瑞稀くんの手に握られたスマートフォンにはさっきの家族写真が映し出されていた。

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作成日時:2023年3月22日 22時

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