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余裕そうに見えた作間さんだけど案外そうでもなさそう。

どこか様子がおかしい。

それはいつもか。

まあそんな訳でリレーが始まった。

1走目、スタートダッシュは順調で、8人中3位に収まっている。

いけ!頑張れ!

1着から順にバトンを2走目に受け渡していく。

3位をキープし、私たち赤団にバトンが渡ったのも3番目。

作間さんの桃団は5番目にバトンが渡った。

赤団を応援すべきか作間さんを応援すべきかで揺れている。

作間さんが1人抜かした。

桃団のテントが盛り上がり始める。

あの前列男子集団の中で1番動きがうるさい人は蒼弥だろうか。

遠くからでもわかりやすい。

走る姿まで綺麗な作間さんは圧倒的美と言わざるを得ない。

普段のよく分からない気持ち悪い動きからは想像できないほどスタイリッシュな走りを見せている。

その後も作間さんは健闘し、赤団を抜かす一歩手前まで追い詰めた。

そのままバトンは3走へ。

私は一生懸命走るけど、桃団の子が速く抜かされてしまった。

かなりの申し訳ない気持ちを抱えながらも、赤団のテントから聞こえる声援に応える為とりあえず頑張った。

そして瑞稀くんへバトンを…

あれ

一瞬の浮遊感のあと、私の顔は地面についていた。

膝と肘が痛い。

どうやらこけてしまったらしい。

やばい。倒れている間に更にもう1人に抜かされてしまった。

早く立ち上がらないと。

私は慌てて立ち上がる。

しかし右足首に違和感を覚えた。

…ひねってる?これ。

よりによってこんな時に…。

朝こけませんようにって願ったのに…

それでもこれ以上抜かされる訳にいかない私は右足を引き摺りながら瑞稀くんの元へ向かった。

そしてやっとの思いでバトンを渡す。

結局6着でバトンを受け取った瑞稀くんは私を責める様子も無く、

「A、頑張ったね、あとは任せて」

と学校では見たことの無い笑顔を見せ駆け出していった。

華奢な瑞稀くんだけど、この時の背中はとても頼もしく、大きく見えた。

作者より→←.



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作成日時:2023年3月22日 22時

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