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学校にも来ず家にも帰ってこないので、私たちは涼くんに対して怒ることも出来なかった。
昨日と同様、涼くん以外がリビングに集まっている状態。
昨日謝ってもらったものの、まだまだ気まずかった。
それはそうだ。1週間もまともに話していないんだから。
「…A。昨日謝ったけどさ。一応弁解させて欲しい。」
そんな中口を開いた瑞稀くん。
「この1週間の態度は本当にごめん。Aを信用していなかった訳じゃなくて、まさかメンバーにこんな事する人がいるなんて思わなくて…。」
「うん」
「はしもっちゃんとはかなり付き合いが長いから…。はしもっちゃんが言ってた事を全部信用しちゃった。思えば機械音痴のAがTwitterなんか使いこなせるわけないのに…」
多分情報の授業中に全くエクセルが使えずに瑞稀くんに泣きついた事から機械音痴と言ってるんだろう。
スマホぐらい使えるよ！…とは言わず…。
「瑞稀くん？」
「…機械音痴は撤回する。でも疑う心は持てば良かった。ごめん。」
「…昨日謝ってくれたから良いよ。原因が分からないままキツく当たられたのは辛かったけど…。」
「…そうだよね…はぁ〜…俺ってなんでこうなんだろ…。リーダーなのに…。」
「…瑞稀くんはしっかりしてるよ。こんな騒がしい人たちをまとめられてるんだもん。それに出会って一年も経たない寮母より、付き合いの長い友達を信じるのは普通の事でしょ？」
「そうだよ、俺たちまとめられるのは瑞稀くんしかいないよ。それに冷静な作間だって信じちゃった訳だからさ。」
隣から助け舟に入る優斗。
「…全然冷静なんかじゃないよ…俺だって…。」
分かりやすく凹む作間さん。
葬式のような雰囲気だ。
私としてはせっかく仲直りしたんだし元の空気感に戻したいんだけど…。
それは優斗も同じみたいで似合わない愛想笑いを浮かべながらキョロキョロしてる。
「辛気臭えな！！」
そんな空気を破ったのは蒼弥。
「俺だって今Aへの申し訳ない気持ちでいっぱいだよ！ちゃんとAを信じて優斗みたいな立ち回りしたかった！でも悔やんだって仕方ねえじゃん！…おいA！」
突然私の方を向いた蒼弥。大きな声で名前を呼ばれてびくっとしてしまう。
「絶対今度からは信じてやるから！俺がまた前みたいな態度取ったら俺の事容赦なくビンタしろ！分かったな！」
「分かった…？」
「まじではしもっちゃん許せねえわ！何が何でも探してあいつにも土下座させるぞ！」
蒼弥の勢いに触発されたのか瑞稀くんにも作間さんにも正気が戻り、彼の言葉に2人は頷いた。
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作成日時：2023年3月22日 22時
