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「…やっぱり犯人だったんだな、はしもっちゃん。」
午前1時。橋本の部屋の扉に立つ優斗と瑞稀。
「優斗…瑞稀…なんで…」
「貸して、スマホ。」
「ちょっと、やめて！」
2人が橋本から取り上げたスマホには例のTwitterアカウントの画面が映し出されていた。
「なんでこんなことしたの？！」
橋本の肩を掴み揺さぶる瑞稀。
「落ち着いて瑞稀くん。…はしもっちゃん。リビングで話そう。」
リビング。
優斗が提案した作戦はこうだった。
あのTwitterアカウントは毎日午前1時にツイートを更新する。
だから蒼弥と作間さんはツイートが行われていても私がスマホを触っていないか監視し、優斗と瑞稀くんが犯人…涼くんの部屋で涼くんの動きを見る、というものだ。
優斗はこれがしたくてみんなをこの時間に集めたんだな。
運命の1時。
作間さんに事前にTwitterで捨て垢を作ってもらい、例のアカウントをフォローして通知を付けてもらった。
ツイートされると彼のスマホから通知が鳴る。
1時になったものの静かなリビング。
「…ほら、やっぱお前じゃねーか…！」
蒼弥がそう言いながら立ち上がった時、
ピコン
作間さんのスマホから通知が鳴った。
見てみると、あのアカウントだった。
ツイートされたのだ。今日も1時に。
立ち上がった蒼弥は崩れ落ち、作間さんはぼーっと自分のスマホを眺めていた。
「犯人、登場だよ。みんな。」
優斗と瑞稀くんが涼くんをリビングに連れて来たのはそれからすぐの事だった。
「独り占めしたかったんだよ、Aちゃんを」
全員に責められた涼くんはぽつりぽつりと自供し始めた。
偽のTwitterアカウントを作り、それをみんなに見せる事で私の信用をなくし、自分だけが私の味方をして独り占めしようと思った
そう彼は語った。
私たちは彼の掌の上で踊らされていたと言う事だ。
私は呆れて声も出せなかったし、蒼弥はブチ切れて涼くんの胸ぐらを掴むし、瑞稀くんは軽蔑したような目で彼を責めたし、作間さんは黙って部屋から出て行った。
「…ごめんね。みんな。Aちゃん。俺、どうかしてたわ。」
涼くんはそれだけ言い残して、リビングから出た。
彼が去った後、私は瑞稀くんと蒼弥に土下座された。
土下座された経験なんて初めてだから反応に困ったけど。
後から優斗が引っ張って来て戻って来た作間さんも私に土下座した。
こうして私は3人と仲直りする事ができた。
そして迎えた翌日。
涼くんは起きてこなかったし学校にも来なかった。
失踪してしまったのだ。
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作成日時：2023年3月22日 22時
