うざ絡み ページ23
「A、おはよ。今日も朝からうるさいね。」
いつも通り1番最後に起きてきた瑞稀くんが苦笑いしながら4人を見ていた。
さっきに比べたら仲良くぎゃーぎゃー騒いでるけど、
「なんでお前らこんな早いんだよ！」
「俺が早いのはいつもだよ。ガリさんもっと寝なよ。」
「たまには早起きしてAちゃんと朝を過ごしたいな〜って。」
「俺はAをキャッチボールに誘いたかったんだよ。A、今日の放課後キャッチボールしようぜ！」
「いいけど…」
「誘うのぐらいで朝早く起きなくて良いだろ！」
「なんでガリさんはそんなキレてるの？」
というように朝4人が同時に起きてくる事態が発生したせいで少し険悪なムードになっていたのだ。
「おはよう、瑞稀くん。ちょっと色々あって。」
「Aも朝からこんなん付き合わされて大変だね」
「このグループでリーダーしてる瑞稀くん凄いよ…」
「やっと分かった？俺の凄さ。」
「うん。」
「あ、そうだ」
ポケットをゴソゴソ漁る瑞稀くん。
取り出したのは一枚の小さな紙。
「これ、昨日廊下に落としてたよ。」
あの男の子とのチェキだった。
「落としてたんだ…気付かなかった。ありがとう。」
「ううん。それにしてもA、知り合いだったんだね。」
「え？」
「いや、この写真に写ってるじゃ…」
「A！」
「なに？！ごめんね、瑞稀くん。」
瑞稀くんが何かを言おうとしているのに、優斗が大きな声で私を呼んできた。
「今日、学校の近くの公園で待ってるから！」
「分かった…」
キャッチボールの話か…。
「ごめん、なんだった？瑞稀くん。」
「だからこの写真に写ってるの…」
「瑞稀くーん、こっちで話そうぜー」
「分かった分かった、どうしたの優斗、朝からテンションおかしいよ？」
こうして優斗に連れ去られてしまった瑞稀くん。
彼は何を言おうとしてたんだろう…。
私は瑞稀くんに返してもらった写真を改めてじっと見た。
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作成日時：2023年3月22日 22時
