追いつかない脳処理 ページ3
「おはよ、A」
「お…おはよう、蒼弥。」
告白から一晩。はっきり口にされた分涼くんの時より動揺した私は考えすぎて結局寝ずに朝を迎えてしまった。
これは授業中睡眠確定だなと思いつつ、朝の仕事をしているといつもは起きるのが遅い蒼弥が1番に起きてきた。
気まずいけど、普通に接さないと。
「今日早いね、どうしたの」
「俺、考えてさー。で、閃いちゃったわけ。」
「何を？」
「早く起きればAを独り占め出来ること」
「は？」
いつもは朝起きたら一言目は飯！の蒼弥が…
何を言ってるの…？
「全部聞こえてんぞ」
「嘘、」
やば、また喧嘩になるかな
朝から口論するのは体力使うからしんどいんだよな…
「…ま、良いけど。事実だし」
「言い返してこないの…？」
「俺の事なんだと思ってんだよ、好きでお前と口論してる訳でも無いし」
「それはそうか…」
「それに言っただろ。お前を惚れさせるって」
そう言って蒼弥はキッチンに立つ私の後ろに立ち、覆い被さるように手を私の方に回した。
え、バックハグ…？
と一瞬思ったがされる事なく、蒼弥の手はそのままキッチンの台の上に置かれた。
状況説明するのが難しい。
私越しにキッチン台に両手をついてもたれかかっている。
こういえば分かるだろうか。
どちらにせよ、距離が近くて料理をする手を止めてしまった。
「急になに…？」
「恋は攻めないと、だろ？」
「…そうなの？」
どうすれば良いのかも分からず変な返事をしてしまう。
「あー、おもしれー(笑)」
そんな私を見て蒼弥は大爆笑し、私から離れた。
そしてリビングに戻り、食卓の椅子に座る。
「A、俺今日パンな」
急にいつも通りじゃん。
本当になんだったんだろ…
調子狂う
蒼弥にパンを出した直後
「Aさんおはよ…ってガリさん起きてたの？」
作間さんが起きてきて少し安心。
このまま蒼弥と2人きりだったら色々耐えられなかった。
「Aを独り占めしたかったんだよ」
驚く作間さんにパン食べながらにやっとした顔で蒼弥が言った。
え、言っちゃうの？
「え…？」
ほら、作間さんもびっくりしてるじゃん
「ガリさんも…？」
作間さんの動きがピタリと止まる
ん？
「悪いけど作間よりも進んでるから(笑)」
硬直した作間さんにニヤついた蒼弥が畳み掛ける。
「…俺は俺のペースで行くから。Aさん、今日はご飯が良いな。」
謎の煽りを受けた作間さんは何かをぐっと堪え私にそう言った
…理解が追いつかない…
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作成日時：2023年3月22日 22時
