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この間、相葉先生と二宮先生と作ったあの冊子が配られて学年集会と称して狭い教室に集められた。
そこで話されたことは、とても当たり前なことで。
分かっていたものの、聞きたくなかった言葉たちだった。
あと高校生活は半分しかない。
折り返し地点だ。
受験勉強を始めよう。
次の模試で結果を残せ。
そんなことばっかり。
授業中にも色々な先生からそんな話をされた。
もちろん、自分でもそんなこと分かってる。
「失礼します。二宮先生いらっしゃいますか。」
どうにか気持ちの整理をしたくて、いつもの様に二宮先生のもとへ。
「はーい。どーしたの。」
「先生、話聞いてください。」
「ん、じゃあそこ座って？」
いつものあの席に座らせてもらって、先生と向かい合う。
先生に向かって、これからの勉強とか将来のこととか今抱えている不安を全部吐き出した。
「長谷川が不安になるのは分かるよ。でも、後悔はして欲しくない。」
「後悔…」
「そ、後悔。お前には進みたいと思う進路に進んで欲しいし残り半分の高校生活を後で悔いるものにして欲しくないよ、俺は。」
後悔は、したくない。
だからといってどうすればいいかなんて分からない。
「まずはさ、目の前にあることから頑張ってみなよ。それが頑張れないなら他のことだって頑張れるわけないでしょ。」
そりゃそうだ。
普段のテストを頑張れない人が受験とか、
本番の試験を頑張れるわけがないんだから。
「先生、私頑張ります…」
「ん、そう思えたならよかった」
先生は私に向けていた目線を手元に戻して、
力を抜くようにふっと息を吐いた。
それだけの仕草に心臓がとくん、と高鳴る。
それだけの仕草に目が奪われる。
いつの間にこんなに先生のことを意識していたんだろう。
それに気づいてしまったら、心臓はドキドキと音を立ててどんどん加速していく。
「先生、もう1ついいですか……？」
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作者名：舞蝶 | 作成日時：2018年10月21日 19時
