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放課後は国語準備室に通う日々。
今日もまたいつもの様にこの部屋を訪ねていた。
「失礼します。二宮先生いらっしゃいますか。」
「はーい。どーしたの。」
「あれ、ここに生徒が来るって珍しいね。質問？」
普段と同じように入って、普段と同じような返事が聞こえてきて…
そのはずなのに。
「相葉先生…」
「こんにちは、長谷川さん。」
優しく微笑むのは吹奏楽部顧問の相葉先生。
私は科目選択の関係で、相葉先生の授業は受けていないけど面白いって評判で生徒からも大人気。
優しいし親身になってくれるから相葉先生のクラスになったら大当たりだーってクラス替えの時に女の子達が言っていた。
「ったく、お前は口を動かすな、手を動かせ、手を。」
「もー、ニノちゃんったら固いなぁ！」
なんだかわちゃわちゃと仲良さげに何か作業をしているような二人。
二宮先生と相葉先生のコンビは生徒の中でも大人気。2人ともイケメンだし、兄弟みたいでいいらしい。
女の子達曰く『目の保養』。
「何をされているんですか？」
「今度学年全員に配る自主学習期間のプリントの冊子をね、作成中。」
自主学習期間。
自分で計画を立てて、苦手なところを徹底的に勉強する期間のこと。
ぱっと先生の手元を見るとプリントの山と、ホッチキス。
「あの…手伝いましょうか…？」
「え？！いいの？！」
キラキラとした目で食いついてくる相葉先生。
手も止まっている。
「お前なぁ！まず、手を動かして。
はぁ…長谷川、ほんとにいいの？」
「はい！」
「ありがとう。助かるよ。」
�爐△蠅�とう��
そうお礼を言われただけなのに…
また先生と喋れていることに幸せを感じている。
こっち！と相葉先生に手招かれて、席に座った。
長谷川さんはここね？と相葉先生の向かい側に座る。
積み上げられたプリントたちで相葉先生のお顔は半分ぐらいしか見えないけど。
…二宮先生のお隣。
二宮先生は左利きだから、私が先生の右側に座る。その方がやりやすいからって。
机があまり大きくないおかげで、触れ合いそうなほど近い肩。
その距離感に緊張して、呼吸することさえドキドキする。
この緊張でどうにかなってしまいそうだ。
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作者名：舞蝶 | 作成日時：2018年10月21日 19時
