つゆとこたへて＊ N.K (ページ7)

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先生と話した日も、話してない日も。
お風呂に入った時とか、ふとした時に二宮先生のことを考えるようになっていた。
先生のことをもっと知りたい…とも。

やっぱり…私、先生のことが好きなんだ…

そう思うと先生と話すことが少し恥ずかしくて、でも幸せで。
ゆらゆらと揺れ動くこころを抱えながら毎日のように先生の所へ通って、本を読んで帰る。
そんな生活を続けていた。

「はーい、静かに。テスト返すよ〜。」

今から古典のテストが返ってくる。
私的には頑張ったと思うんだけど。

「長谷川。」

「はい！」

「ん、よく頑張ったね。」

先生が優しく微笑みながらテストを渡す。
急いで半分に折られたテストを開くと今までよりもちょっと高い得点。

得点記入欄の横には、
『よく頑張りました。』
っていうメッセージと花丸マーク。

先生から褒めてもらえたのが嬉しくて、
つい涙が出そうになるのを堪えて自分の席へ戻る。

「今回、皆そんなに良く無かったけど。ちゃんと勉強しろよ？今回出来てる人はとことん出来てるからね。」

出来てる人って言いながら、私の方をちらっと見る先生と目が合う。
急いで逸らすけど、恥ずかしい…

先生のことが好きだって思っても、
私が一方的に思っているだけで。

先生は私のことなんて…つゆほどもそんな感情で思ってるはずなんてないのに。