つゆとこたへて＊ N.K (ページ12)

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あの後家に帰って〝本気でやりたいこと〟を考えた。

私が好きなのは、学びたいのは…
そう考えた時にやっぱり古典だってそう思った。

…先生に言おう。
そう思ってやってきた国語準備室。
いつもと違って中からは賑やかな声が聞こえる。

ちょっと入りにくいしやっぱり…やめとこうかな…

「あれ？二宮先生に用があるの？」

「あっ…警備員さん…」

国語準備室前で引き返そうとしていると後ろに警備員さんが。
いつも校門にたっている警備員さん。

「にのみやせんせー」

「潤くんいらっしゃーい」

「ここの前にお客さんいるよ？二宮先生に用があるってさ」

戸惑っている間にほら、入って。と警備員さんに言われてほとんど無理やり押し込まれた。

「あら、長谷川だ。どうした？」

「あの、お取り込み中なら…いいんです…」

「別にいいよ？この人たちほっといても大丈夫だから。」

そう言って部屋を見渡す。
部屋にいるのは二宮先生、相葉先生、用務員さんに清掃員さん。
そして、一緒に入ってきた警備員さん。

「あ、あの……大丈夫です！失礼します！」

二宮先生以外の人にまで聞かれるのはなんか嫌で逃げてしまった。

てか、あの部屋何？
二宮先生と相葉先生はまだしも、なんで用務員さんとかまでいるの…？
よく分からない二宮先生の人間関係はひとまず置いておいて。

また、言いに行こう。
そう思って今日はそのまま学校をあとにした。

でもやっぱり…言えば良かったかな。
なんてちょっと後悔。

後悔したところで過去には戻れないのに。