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「どーしたの。」
今日、色々と失敗した。
元から人間関係を築くのが上手じゃない私は、来る者拒まず去るもの追わず精神で生活していた。
今の高校には中学校から一緒の子も何人かいて
それなりに過ごしてきたけど…
今日、ついついクラスメイトに強く当たっちゃった…
その子たちとはあんまり気性が合う訳ではなくて、正直苦手なタイプ。
それで、体育大会の練習の時にイライラしちゃって強く言っちゃった。ただそれだけ。
でもその事を後悔していて、だけどちょっぴりスッキリしている。
そんな感情に悶えて教室の机に伏せていた。
そして、冒頭に戻る。
「無視？」
「無視じゃないです…」
多分ここに来たのは教室の見回りにきた二宮先生。
「じゃあ、顔上げなさいよ？」
「嫌です。」
よいしょ、と言いながら前の席の椅子を引いて座る音。
「んで、どーしたの。話したくないなら別にいいけど。」
しばらく何も言わない時間が流れた。
でも、それはきまり悪いものじゃなくてどちらかというと心地よかった。
「先生は、高校生の時友達多い方でしたか…？」
「いいや、いなかったよ。」
「え…？」
「あ、顔上がった。」
驚いた。
二宮先生は人懐っこい雰囲気でどこか色んな人と仲良くしているイメージだったから。
それよりも…顔上げちゃった…
「なぁに泣いてるの。」
泣いてたのもバレちゃった…
「別にいいんじゃない？無理しなくても。」
ただそれだけだった。
先生が私を見て言った言葉はそれだけ。
だけど別に冷たいわけじゃなくて、優しかった。
「さ、見回り続けなきゃ。気をつけて帰るんだよ。」
そう言って立ち上がった二宮先生。
「また、なんかあったら話聞くよ。話聞くだけだけどね？」
立ち去り際に頭をぽんぽんと2回撫でて歩いていった先生。
その手が今の私には何よりも暖かく感じられた。
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作者名：舞蝶 | 作成日時：2018年10月21日 19時
