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ジャミル side
「(今だ)」
ｼﾞｬﾐﾙ「瞳に写るはお前の主人……尋ねれば答えよ、命じれば頭を垂れよ………
発言した瞬間、Aの意識が途切れた。
ベッドへと倒れ込む。
ｼﾞｬﾐﾙ「ごめんな。A。だけどこうするしか無かったんだ。」
そう。Aを自分のものにしたかったんだ。
まだ、ミドルスクールに通っていた頃、たまたまぱっちりと起きてしまい、水を飲みに行こうとした時、両親の話を聞いてしまったんだ。
ﾊﾞｲﾊﾟｰ母「Aをカリム様の嫁に…？」
ﾊﾞｲﾊﾟｰ父「嗚呼、旦那様と奥様が仰っていてな。」
ﾊﾞｲﾊﾟｰ母「そうねぇ、あの子はカリム様と仲良よろしいし、ある程度の才能もあるし他人への対応もいい。顔もそこそこ美人だものね。」
ﾊﾞｲﾊﾟｰ父「もし、Aを嫁にして下さるというのなら、俺らも頑張らなければならないからな！」
ﾊﾞｲﾊﾟｰ母「ええ、そうね！」
ここから先は知らない。
ただ。後日両親から言われたんだ。
「Aがナイトイレブンカレッジを卒業後、カリム様の嫁になる。」って。
俺は理解できなかった。
その事実をずっと嘘だと思ってたのに。
『私、カリムくんのお嫁さんだぁ』
ｶﾘﾑ「へへっ、家族だな〜!!!」
こんな愉快な話をしていたんだ。
心底嫌で俺だけの大切な妹が、
俺の元からいなくなるなんて考えられなかった。
おかしい。
両親の考えが、旦那様や奥様の考えも……
全て、全て全て全て全て!!!
ｼﾞｬﾐﾙ「お前だって……俺のそばにいたいだろう…？」
なあ。そう言ってくれよ。A。
お前が居なくなったらどう生きていけと言うんだ？
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作者名：葵羽/きう | 作成日時：2020年7月22日 19時
