兄さん【ツイステ】 (ページ45)

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その日の夜

『……』

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「俺も、家族も……なにもかも、どうにでもなれ!!」

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未だにその言葉をはっきり覚えている。
嗚呼、思い出すだけで涙が。

嘘だと信じたいのに。
自分は信じれない。

兄はきっと本気なんだと思う。

『そうだよね。』

いつも迷惑かけて、
わがままで、才能もない。
兄よりも劣っているのに私が上の立場(カリムくんの嫁)なんて。

『ごめんなさい』

ｼﾞｬﾐﾙ「A、はいるぞ。」

『どうぞ』

思いっきり涙を流したまま入っていいよと言ってしまった。
どうぞと言った後に後悔をした。

ｼﾞｬﾐﾙ「は？！なんで泣いてる!?」

『いや、違うから…その。携帯で。悲しいお話見ちゃって……だから、だからっ!!!』

兄の意見を聞かずにひたすら否定した。

ｼﾞｬﾐﾙ「……すまん。」

兄は……お兄ちゃんは。
複雑そうな顔をして謝った。

『え…？』

ｼﾞｬﾐﾙ「いや、だって…昨日の「俺も、家族も……なにもかも、どうにでもなれ!!」って言ったの引きずってんだろ？」

『…』

ｼﾞｬﾐﾙ「あの時は気が気じゃなかったんだ、本当に反省してる。たとえ家族がどうでも良くたとも、あれはお前"以外の事"なんだ。」

『嘘…』

ｼﾞｬﾐﾙ「嘘じゃない。」

『……お兄ちゃんのバカ。』

ｼﾞｬﾐﾙ「そうさ俺は馬鹿だよ。なんとでも言いやがれ。」

『私も素直に生きる。何を言われようと、だからっ!!!』

『お兄ちゃんと結婚する。』

決意して初めて言葉にしたことだった。

ずっとずっと兄のことは"恋愛的"な意味で見ていた。
でもどうせ兄はそんな目で見てくれてない。
"兄妹"としてしか見てくれてないと思い続け、
16年。

兄は完璧で私の理想だった。
兄以上の人はいない。

でも、親に強制的にカリムくんのお嫁さんになるんだと言われ反対も出来ずにいたけど。
これからは素直に生きるんだ。

だから言った。
どうせ振られて終わるんだ。
早く終わらせてカリムくんのお嫁さんとして継いでいこう。

そう思ってたのに。

「嗚呼、喜んで」

『え…？』

ｼﾞｬﾐﾙ「俺もお前も卒業したら……な？」

『…ふふっ………うんっ！』

兄と私は親に言った。勿論反対されたけど意地張ってたら許されたっていう。許すなってなるけど、旦那様や奥様、カリムくんにお話したところお許しを貰ったと聞いた。

『よろしくね。お兄ちゃん。』

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