兄さん【ツイステ】 (ページ17)

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『兄さん』

そこには階段をおりてくる兄の姿が見えた。
洋服は私が作った兄専用のお洋服。

ｼﾞｬﾐﾙ「良ければ俺と踊っていただけませんか。」

社交ダンスでの誘い方だ。

『(どうしよう)』

そう悩むのもほんのちょっとだ

『兄さん、せび踊らせてください。』

そう声をかければお兄ちゃんはニコッと微笑み手を差し伸べてくれる。
他の人からはあーあ。とがくっとするような声が聞こえてきた。

『(だけど、安全のためにもこうしなきゃね。)』

自分のしっかり考えた結果と理由だ。
そしてみんなそれぞれペア(男男で)を組み並んで曲が始まった。
一斉に踊り始める。

ヘッタクソなとこもあれば、喧嘩してるところも、
上手な人ももちろんいる。

『(夏までにこのダンスしっかり踊れるようにしなきゃ)』

夏休みにはアジーム家へ戻り、宴をほぼ毎日のようにする。
しかもその時カリムくんと二人て踊らなければならないのだ。その為にも練習を兼ねてダンスをしている。

『楽しいね、お兄ちゃん』

ｼﾞｬﾐﾙ「嗚呼。Aと踊れて光栄だよ。」

でも、今はひたすら兄に夢中になれる時間だった。
手が添えられ、一緒に踊り、2人で笑い合える。

『(こんな時間も案外いいのかもなあ)』

こんな平和が続くのも冬に壊れてしまうのだ。
そんなの知る余地もないのだろうが。

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